ヤマガブランクスのバリスティックを新しい武器として揃えたのでインプレします。
遠投も可能なちょうどよいレングスとランカーシーバスをも余裕を持って対峙するためのパワーと大きめのルアーの操作も容易な96MMH。
その性能を実釣したときの第一印象をお伝えします。
ヤマガブランクスのバリスティックを購入迷っている方のお役に立てるインプレになっております。
記事内画像:Il Pescaria
シーバス釣り歴15年以上になります。川すずきを主に追い求めて駆け回り収入の半分は釣り道具につぎ込むシーバスオタクです。メーカーからの供給を受けルアーのテスターもしています。はじめた頃と比べると随分とフィールドの状況も変わり釣り方も変化しており、これからもずっと学び続けなければいけないと痛感しています。これまでの長年蓄積してきたノウハウを基に現代にあった”今釣れる情報”をお届けしていきたいと思います。
ヤマガブランクスバリスティックインプレ
今回自分が購入した96MMHのインプレです。
長さft(m) | 9.6(2.910) | ルアー許容重量(g) | 8~38 |
---|---|---|---|
自重(g) | 151 | 適合ライン(号) | 1~2 |
継数 | 2 | カーボン含有率(%) | 99.8 |
まずははじめて手にした時のファーストインプレッションから。
見た目の渋さはヤマガブランクスならでは
黒を基調とし余計な配色がまったくないヤマガブランクスらしい渋めの見た目は購入前から気に入っていました。
釣り自体にはあまり関係のない箇所ではありますが、
「所有している」、「これを使って釣っている」という満足感を与えてくれるのは間違いないです。
高級感を感じる造形美
先日あるロッドのインプレ撮影にも立ち会った後だったからなのか、なおさらエントリーモデルとの違いはこのあたりに如実に表れるものだなと感じたのがここ。
リールシート周辺です。
しっかりと握れる手の形を考えたグリップ形状の力強いファイトするときに握りやすい長めのフォアフリップに、
安っぽいプラスチック感を感じさせない配色とところどころに流線型を取り入れたデザインに高級感が漂っています。
みなさんランカーや青物を掛けた時に力いっぱいロッドを立てるために、ブランクスに近い太くなっているフォアグリップを握ると思います。
このリールより上の握れる箇所が通常のロッドよりも大きく感じるのは、そのためも考えられた結果なのではないでしょうか。
持っただけで伝わる信頼度
ヤマガブランクスはいまやオリムピックと2社だけ現存する純日本製のカーボンロッドメーカーです。
(昔はダイコーもありました)
それゆえ安心感が違います。
こういうことを言うと若い人たちに「考えが古い」と怒られそうですが、このクラスのロッドを手にするおじさん世代からするとこの信頼度は大きいです。
所有欲もそうですが、釣りに集中できる安心感を感じられることはバリスティックのようなハイエンドクラスのロッドには必要なことだと思います。
バリスティック96MMHと最適なリールの組み合わせ
最初に自分が一番気になったのがこのバリスティック96MMHと組み合わせるリールのことでした。
今回は迷わず先に購入したシマノの22ステラ3000MHGと、
21ツインパワーXD C5000XG
を合わせてみました。
カタログ上では推奨リールの重さが「270~300g程度」とされていますが、
22ステラ3000MHGは自重が235g、
21ツインパC5000XGは245gということで
ちょっと軽めだけど自分は何の違和感なくちょうど良く感じています。
適合スピニングリール目安 : D社製 LT3000~5000C番 / S社製 4000~C5000番
推奨リールウェイト:270~300g程度
出典:バリスティック TZ/NANO|ヤマガブランクス
ダイワの22イグジストだとPC LT4000番。
もう少しパワーがあって手元が重たい方がバランスが取れると思う人はシマノの20ツインパワーの4000番かC5000あたりがベストマッチだと思います。
バリスティック96MMH実釣インプレ
ここからは実際に釣りしてみたときの率直な感想です。
キャストフィールと感度
20g以上のルアーを中心に使ったせいもありますが、Mパワーのティップなのに振り抜いた感覚は非常にシャープ。
ラインが放出したあとのティップの収束が早くビシッと決まる感じ。
今回使ったルアーで一番重たいものが50gでしたが、それでもブランクスから曲げて乗せる感じを受けました。
自分の場合いちばんしっくり来るのは20~30gのルアーでした。
15g以下の軽めのルアーでも少し垂らしを長くして力まずに軽く振り抜く気持ちでキャストすると飛ばせるしなやかさも持ち合わせています。
パワー感があるのに感度も良好
Mhクラスなので感度はいかがなものかと最初は疑心暗鬼になっていましたが、それも実釣してすぐにその疑いは晴れました。
ベイトが触れた感覚や、「いま潮目を抜けたな」とか水中の状況も感じとることができました。
それほどの感度の良さを間違いなく持っています。
やはり、このあたりの心地よいキャストフィールや感度の良さはこのクラスのロッドでしか感じることのできない異次元だと感じずにはいられません。
どっしり支えるパワーのあるブランクス
上でも言いましたが、重たいルアーでもブランクスからしっかり乗せて反発力で飛ばしている感じです。
MHパワーでも単に硬いだけのブランクスではなく、弾いて受け流すというより”曲げて受けとめたあと復元する”能力が高いのだと思います。
硬いだけだと弾いてしまいバラシやすかったり、柔らかすぎるとパワーがない…。ちょうどよく大型魚をいなせる性能を備えているのではないでしょうか。
自重151gと最近のタックルの流行からすると決して軽い部類ではありませんが、持ち重りなんて微塵も感じられず
逆に重たく太いジギングロッドのようなどっしり支えてくれる強さを感じます。
あいにくランカーシーバスとは実釣インプレ時には出会えませんでしたが…汗
これは期待大です!!
さすが”ヤマガ”さんちの”ブランクス”☆彡
ウェーディングでも邪魔にならないグリップエンド
ここけっこう自分的には重要でして…。
このバリスティックは通常のシーバスロッドにしてはグリップエンドが短めになっています。
ウェーディングでキャストするたびにジャケットのポケットにあたって邪魔になるロッドもありますがこれなら大丈夫です。
青物釣りのように脇に挟んでファイトするようなことはほとんどないので短めのグリップエンドは自分好みです。
あとでルアーとのインプレでもお伝えしますが、この短めのおかげでロッドの長さの割に取り回しもすこぶる良いです。
推奨されている140cmクラスのミノー試投
ここからはルアーを種類に分けて投げてみた印象です。まずは一番使う頻度が高い120~150cmのミノーから。
ほぼ20g~35gのルアーでしたけど、もう何度でもしつこく言います!!
「キャストが気持ちいいです!」
スペック上では140mm以上の大型ミノーを中心にと記載があるとおり、このクラスのミノーを扱うのには最適でしょう。
また少し小さめになるコモモの125Fやスイッチヒッター120F+Rなど、120cmクラスのミノーやシンペンも問題なく使えます。
これくらいの高性能なロッドだとある程度テクニックをカバーしてくれてるのではないかと思うほど、気持ちよく確実に飛ばせます。
ランカークラスにも余裕の対応
デイゲームでお試し試投げしてるときにコモモSF125で80には届かずの惜しいサイズですが釣れました。
長さはともかく丸々と太ったコノシロ付きと思われる個体で、
寄せてくる間にこの巨体で3度のエラ洗いしてましたが、
パワーがありよく曲げて受け止めるブランクスのおかげで、こちらが主導権を握ったままいなすことができて、
この日つけていたC5000XG(4000番クラス)のリールのパワーも相まって取り込み自体は、思いのほか楽勝でした。
スペックオーバーのトップペンシル
お次は水がクリアなデイだったのでトップウォーターのペンシルをチョイス。
実釣インプレに用いたのはアマペンとマルジンのUKビッグペン150です。
どちらも自重が42gと
ルアーのキャスト許容範囲が~38gのバリスティック96MMHなので、少々スペックをオーバーしていますけど、これくらいならまだ余裕を持って投げれます。
S社やD社のロッドは記載がある数字の70~80%くらいで考えていないと、そこからティップが垂れ下がって先重りしはじめるし無理に投げると破損しそうなものもありますが、
このバリスティックの96MMHに関しては、1割強くらいのオーバーは許容範囲だと感じました。
下の動画ではテスターさんがのっけから96MMHでアマペンをフルキャストしています↓
長くてパワーがあっても操作性もグッド!!
最初このロッドの感覚に慣れるまで思いのほか狙ったポイントよりも奥へ飛んでいくので、戸惑いながらもトップペンシルでドッグウォーク。
今回のインプレで一番お伝えしたかったこの操作感です!
MH(ミディアムヘビー)とは思えない操作性と、9.6ftというレングスらしからぬ取り回しの良さは特筆すべき点です。
ヘビーウエイトルアーを使用し対ランカーシーバス見据えたロッドと聞くと、武骨なパワーだけを想像してしまいますが、このバリスティックTZ/NANOは違います。
細かなトゥイッチやジャークもアングラーの意のままにルアーに伝達してくれます。
9センチ前後のバイブレーション試投
当たり前ですが、おそらく今回いちばん飛距離が伸ばせたのがこちらバイブレーション。
9センチクラスのバイブレーションでも先重り感なく、余裕を持ってキャストすることができます。
またただ巻きだけではなく感度が良いのでボトムタッチやカレントの切れ目もわかりやすく
取り回しの良さもありリフト&フォールなどの操作性も上がっている感じを受けました。
持って行ってたので一応投げてみました。
う~ん…。さすがにあまり飛ばせてる感じはないし、そもそもロッドのキャスト可能な許容重量を超えているので投げない方が良いでしょう。
やはりビッグベイトはピンポイントにベイトタックルで釣りたいと思うので、わざわざバリスティックで投げるルアーじゃないと思います。
迷ったバリスティック96MMHか94M
今回の購入ははじめからヤマガブランクスのロッドと決めていました。
最初は価格的にも同じヤマガブランクスのアーリーフォーシーバスにしよかとも思いましたが、
昔購入したブランジーノAGS97ML(これも高かった…)以来のロングレングスでパワーのあるシーバスロッドが欲しかったので奮発してバリスティックTZ/NANOを購入することに。
自分が拘ったのは以下の点です。
・ランカーシーバスに対応できるパワーのあるブランクス
・かつルアー操作がしやすいしなやかなティップ
普段の接近戦やオカッパリメインで使っているエクスセンスジェノスが9.2ftだったので、
それよりも長いもので、よりパワー(ML以上)のあるブランクスが良く、元々ティップは柔らかいロッドが好きだったので、そこは譲れずそれで選んだのが96MMH。
9.6ftの長さ。ブランクス側がMH(ミディアムヘビー)で、ティップ側がM(ミディアム)の96MMHはドンピシャでした。
ヤマガブランクス バリスティック 96MMH TZ/NANO
自分のように8.6ft~9ftのロッドを他にもお持ちならば、96MMHをおすすめします。
シーバスロッドのランクアップを図るためや、1本だけであらゆるルアーやシチュエーションに対応させるのであれば汎用性の高い、94Mが最適です。
ヤマガブランクス バリスティック 94M TZ/NANO
長さft(m) | 9.4(2.85) | ルアー許容重量(g) | 6~35 |
---|---|---|---|
自重(g) | 143 | 適合ライン(号) | 0.8~1.5 |
継数 | 2 | カーボン含有率(%) | 99.8 |
ロッド:ヤマガブランクス バリスティック 96MMH TZ/NANO
リール:
シマノ 22ステラ 3000MHG
シマノ 21ツインパワーXD C5000XG
ライン:
シーガー R18 完全シーバス ステルスグレー1.2号
YGK Xブレイド スーパージグマン 1.2号
リーダー:バリバス シーバス ショックリーダー ナイロン6号