シーバスやヒラメを釣るルアーフィッシングで格好のサーフポイントになる離岸流について解説します。
よく聞く言葉ではあるもののいざ波の立つ砂浜に立ってもわかりにくく見極めるには経験はもとより、発生しやすい海岸や波の様子で判断できる目安ととなる知識は大切です。
この章ではシーバスやヒラメなどフラットフィッシュの釣れる離岸流が起きやすい場所の見つけ方をお伝えします。
シーバス釣り歴15年以上になります。川すずきを主に追い求めて駆け回り収入の半分は釣り道具につぎ込むシーバスオタクです。メーカーからの供給を受けルアーのテスターもしています。はじめた頃と比べると随分とフィールドの状況も変わり釣り方も変化しており、これからもずっと学び続けなければいけないと痛感しています。これまでの長年蓄積してきたノウハウを基に現代にあった”今釣れる情報”をお届けしていきたいと思います。
離岸流とは
沖合から海岸にぶち当たる波。岸に向かって吹く強い風に押し流された海水が波となって岸に打ち寄せられます。
そのときに、岸際に溜まった海水が沖へ戻ろうとするときに通る通り道のことを離岸流と言います。
この離岸流は部分的に発生するため、一つの離岸流自体は幅が約10m~30mくらいあります。
この離岸流にはシーバスやヒラメのエサとなる小魚が溜まりやすく、波が沖へと戻る際に砂地を削って吐き出されていくので離岸流が起きている場所は水深が周りより深くなっているため、小魚を追ってきたフィッシュイーターも入ってきやすい。
離岸流と離岸流の間はすなわち沖から流れた海水が溜まる場所で、「ヨコヨブ」と言われ、ここにも小魚が溜まるため良いポイントなります。
離岸流が発生しやすい海岸の特徴
離岸流の発生しやすい場所には一般的に言われる、目安となる条件がいくつかあります。
サーフでシーバスやヒラメを狙う釣行前にまず知識として、覚えておきましょう。
遠浅サーフで海外線が長い場所
離岸流の間の感覚が太平洋側では数百メートルであることが多いが、日本海側のサーフは数キロ離れているところもあり、離岸流が発生する場所も限定されてきます。
釣行前に地図で見て海岸線が1キロ以上にわたるような長いサーフは離岸流が発生しやすいと考えていいでしょう。
あとアプリなどを活用して、見定めたポイントの水深をみて、急深ではなく遠浅になっていれば確率が高いです。
海岸が外洋に面したオープンな場所
入り組んだワンドでもいいですが、海岸から対岸に離島などの岸が見えていないオープンなサーフが離岸流が発生しやすくなります。
海岸からは水平線しか見えないような見晴らしの良い海岸がベストです。
波が海岸線に対して直角に入る場所
また、海岸の線上に対して岸に向かってくる波が、直角に入ってくるサーフが吉。
風の向きや風速にもよりますが、波が直角に向かってくるということはそれだけ勢いを分散することなくそのまま押しよせてくるため、沖へ向かって流れ出ようとする力も大きく加わって離岸流が発生しやすくなります。
風の向きや風速は時間によって刻々と変化していくものなので、一時的に弱まったり、強くなる場合もあります。
水深に限らず、行こうと計画を練っているときや、ポイントに着いたその場でも、アプリを活用することで風の向きと風速を確認することをおすすめします。
近くに人口構造物(テトラ帯やヘッドランド)がある場所
写真は海保のホームページから引用させて頂きました。
写真のようにだだっ広いサーフの端に沖へ突き出た堤防がある場合があります。
このような場所はサーフに押し寄せた波がその堤防沿いの消波ブロックをつたって沖へ戻っていく離岸流が起きやすい場所となります。
写真を見ても、そこだけ白波がないのがわかるかと思います。このように上から見た時に白波がたち向かってくる波があるのに、1か所だけ波が立っていない場所は沖へ戻る流れ、すなわち離岸流が発生している場所です。
離岸流の見極め方、探し方
離岸流が発生しやすい場所の目安がわかったところで、今度は実際にサーフのポイントに着いてからの離岸流が起こっているピンポイントの見つけ方をご紹介します。
白波が切れている場所を探す
波のある場所ほどよ~く目を凝らしてみると、1点だけ白波がない場所があります。
逆に沖に向かって吐き出されている流れが生じている場所です。そういった箇所は、岸が凸凹になっている箇所が多く見受けられ、その下は水深があるため、上から見た時にそこだけ水の色が濃く映っています。
ゴミが集まる場所を探す
離岸流が起こっている個所と言うのは、向かってきた波(海水)が一時的に溜まって沖へ戻っていく場所なので、
沖から波と一緒に流れてきたゴミなどが浅い岸に残り、海水だけが吐き出されます。
このため離岸流が起きている砂地には、そこだけゴミが溜まっていることがあります。
怪しいと思ったらルアーを通して試す
以上のような条件を満たしていても目で見るだけでは判断が付きにくいこともあります。そういった場合、少しでも怪しいなと感じたら、気になる箇所へルアーを通してみるとおおよその判断がつきます。
その場所に本当に離岸流が起こっていたら、ルアーを通してくる際に、ルアーの向きとは逆の強い流れの中を引いてくることになるので、強い引き抵抗を感じます。そうであれば離岸流。
離岸流ではない場合、寄せ波と引き波が交互にくるので、寄せ波のときにルアーの引き抵抗を軽く感じるはずで、そうであるか、そうでないのかが判断できます。
動画で見る離岸流の探し方
動画では、DUELの松岡豪之さんがサーフでの離岸流の探し方のコツを解説してくれています。
キーポイントは足元の砂
離岸流の探し方をお話してくださるのは8:18分ごろからですが、
その前にもシーバスやヒラメ釣りで多用されるサーフでのミノーの動かし方なども教えてくれているのではじめから観れるように貼ってあります。
離岸流の探し方だけ観たい人は8:18分ごろからご確認ください。
サーフ釣りの離岸流まとめ
シーバスやヒラメ釣りなどのポイントとなることの多いサーフにおいて離岸流は切っても切れない関係です。
しかしサーフで釣るなら離岸流を気にして釣果アップを図りたいのも納得いきますが、離岸流の起こっている個所の間隔のヨコヨブや潮目攻略など釣れる方法はまだまだあり、離岸流だけに拘らなくともサーフで狙ったターゲットを釣ることもできます。
ここでお話したことは、自分のこれからのサーフの釣りの”引き出しを増やすため”のものと捉えておくと釣り方に広がりを持たせられ安易に「離岸流は釣れない」とはならないはずです。
狙って釣れるアングラーになるための知識として離岸流の見極め方を活用してシーバスやヒラメなどバンバン釣っちゃってください!