22ステラのインプレです!
2機種の3000MHGと2500SHGの番手違いをやっと購入し手元に届いたので今回から新しく採用された新機能と22ステラの実釣によるインプレをお伝えします。
密巻きによるライントラブルのことや使用している間に感じたタックルバランスや相性の良いロッドについても解説しています。
記事内画像:Il Pescaria
長い経歴(釣り歴平均12年以上)を持つ釣り好きが集まった共同運営チームです。釣り種によってはメーカーのテスターも有しています。メーカーやプレスリリースでは伝えることのない一般ユーザー目線で忖度なしにお伝えすることを目的としており、タックルやアパレルなど率直なインプレや実釣経験を基にした記事をお届けします。
22ステラ新採用の機能
22ステラの新モデルにはこれまでとは違った多くの新機能が搭載されています。
実釣インプレをする前にこれらの革新的な新しく採用されている新機能についてご紹介します。
新機能「密巻き」のメリット、デメリット
下はの動画は22ステラと旧作の巻き取り間隔と上下運動の比較です。
22ステラはほぼの旧作の1/2のゆっくりとした速度で上下していることがわかります。
今回の22ステラで一番目玉になっている機能がこの「インフィニティループ」と呼ばれる部分です。
内部構造の進化により、スプールが上下動する速度を圧倒的に低速化。スプールにラインが整然と緻密に巻き付けられていくことで、ラインの放出抵抗を大幅に削減することに成功。抜けるようなキャストフィールやスムーズなラインの送り出しを実現しました。
出典:22ステラSTELLA|シマノ
リーリングした時のスプールの上下運動の幅を狭く(遅く)して巻き付ける「スーパースローオシュレート=密巻き」機能です。
間隔を狭く取りながら密巻きにすることで巻かれている隙間が狭いので出ていくラインが瞬時に出やすく飛距離がアップ!
またラインの滑り出しが良くなるためドラグ性能も向上するなどのメリットがあります。
これはミレニアムステラと呼ばれる初代ステラ(01ステラ)や04ステラにも搭載されていた機能ですがそれ以降の07ステラから廃止されていました。
それはこの密巻きが原因でライントラブルが頻繁に起こってしまっていたからでそれが大きなデメリットでもありました。
※(密巻きによるライントラブルの回避方法については後述します。)
しかしそれら01ステラの頃には今では付いていてあたりまえになっているスピニングリールのライントラブルを大幅に軽減することに成功した「AR-C」スプールはまだ搭載されていなかった時代のことです。
22ステラでは「AR-C」に「密巻き」を追加したことでデメリットを極限まで抑えメリットを飛躍的に向上させたリールになっています。
アンチツイストフィン
ラインローラーの下部にフィンが設けられています。
シマノの他の機種には搭載されていない全くあたらしい機能で、テンションが掛からない状態で回転した時に起こるラインの弛みを軽減し、ラインがよれたまま巻かれてしまったり、スプールの外にはみ出してしまうことを抑えることができる機能になっています。
このアンチツイストフィンは交換可能でもう一枚替えのフィンが付属品として入っています。
バリアコートスプールリング
スプールエッジにはステラSWに採用されている傷がつきにくいコーティングされたバリアコートスプールリングが採用されました。
不意に落としたりしたときや、置き傷がつきやすい箇所でもありますが、
ラインが干渉するところで爪にかかるような傷がついてしまうとラインにもダメージを及ぼすためにこの性能は非常にありがたいです。
また非常に強固なコーティングされているため表面が滑らかでラインが引っ掛かってもスルっと抜けてくれます。
ドラグ
22ステラにはドラグ機能の中身に「デュラクロス」という新しい繊維素材が織り込まれたドラグワッシャーを採用。
これにより従来通りのドラグ性能を維持したまま10倍以上の耐摩耗性を獲得したとされています。
この強固なドラグワッシャーに密巻きの「インフィニティループ」が合わさったことでライン放出抵抗が減り、ドラグが効いた際にスムーズなラインの送り出しを実現しています。
ボディ
ここからは新機能ではなく、従来のモデルから継承されたものです。
すでに”ステラであることの証”のようになっている高剛性の金属ボディ。
多くのリールは軽量化を優先するあまり、シマノでいえばCi4+などの炭素繊維強化プラスチックがボディの一部に採用されることが多いですが、
ステラはより剛性が高くなる軽くて強度の高いマグネシウム合金でボディ全体がつくられています。
軽さの点では他の機種に軍配があがるものの、この高い剛性感による安心感と、ほどよい重みがステラを手にするたびに毎度のごとく
“ステラたる存在感”を感じることができます。
ローター
ローター周りも従来モデルと変更はなく、今回購入し実釣インプレに用いた2台など2500番以上はアルミ合金製、そのほかC2500番以下はマグネシウム合金製となっています。
ボディ素材と同じく当然のことながら金属製のほうが剛性が高く、
軽量化に傾斜している昨今の汎用リール事情の中でも金属製ローターに拘り続けるステラの確固たる信念をここにも感じさせてくれます。
こうしたところが「いつかはステラ」と長年愛される所以なのだと思います。
ちなみに19ヴァンキッシュや21ツインパワーXDはCi4+製の軽量ローターが採用されていますが、これはこれでメリットも大きく適した使い分けをすれば釣り種によって大きな効果を生み出します。
22ステラ実釣インプレ:3000MHG編
さてここからは、実際に購入した22ステラで釣行してきたときの実釣によるインプレです。
購入を検討している人にとってはより実践に即した個人の意見を聞いてみたいはずなので、素直に感じた主観的な見方も踏まえ率直な印象をお話しできればと思います。
22ステラによる新旧3000MHG比較インプレ
まずは4000MHGと並んでシーバスリールの定番番手3000MHGの新旧比較インプレで、22ステラ3000MHGの18から進化した点などをお伝えします。
モデル | ギア比 | ドラグ:実用/最大(kg) | 自重(g) |
---|---|---|---|
旧作(18ステラ) | 5.8 | 3.5/9.0 | 225 |
22ステラ | 5.7 | 6.0/9.0 | 235 |
モデル | 最大巻上長(cm) | PE糸巻量(号-m) | スプール径/縦(mm) |
旧作(18ステラ) | 86 | 1-190 | 47/17 |
22ステラ | 84 | 1-190 | 47/17 |
主に変更のある個所を中心に記載しました。変更のある個所は背景色を加えてあります。
見た目デザイン
見た目のデザインは、キラキラとプラチナのように輝いていた前作とは異なり、大人の渋めのガンメタ!?になっています。
これが屋外の日光を浴びたり、部屋の中の照明の角度などによって時折グリーンぽく見えるのですが、これがまた高級感があってめちゃくちゃ好み!!
スプールの独特の彫りも前作の粒上のものからヴァンキッシュに似た縦線が採用されています。
リーリングの滑らかさ
最初にハンドルを取り付け巻いてみた時に感じたのは違和感でしたw
想像していたのと違っていて「う~ん?…」となったのが素直な気持ち。
14から18に変えた時のような驚くような滑らかさは最初はまったく感じませんでした。
箱から取り出しハンドルをセットして2、3回回してみたあとすぐ買った店舗にクレーム入れましたから
汗(;^_^A
「回転が重く、なんとなしか異音もするし、メーカーに返品するレベルじゃね~」ってジムこと村田さんばりにw
今思えばただのモンスタークレーマーです。
o(`へ´メo)
けど、これがなんと!
ラインを通して実釣を開始し、何度か巻取りを繰り返して使用しているうちにステラらしいと言うかシマノらしいヌルヌルとした巻き心地に変化していきました。
まだ新品でグリスが馴染んでいなかったためか、使っていくほどに手元に馴染んでいく感じで
どんどん使い込むほどに最初の感覚は一掃されていきました。
22ステラを”噛むほどに味わい深くなるスルメイカ”とインプレされている人がいましたが、ホントそのまま!
同感です!!
てか、返品するようなモノじゃなくて良かったです。お店の人ごめんなさいw
( ^^)/▽乾杯~!
タフさとパワー感
18と比べると自重が10gほど重くなっているせいもあるからか剛性感は18よりも強く感じられます。
ただ巻きで使っても、20g以上のルアーでジャークしてみても常に一定の剛性の高さを感じ取れるほどの丈夫な気がします。
するすると巻ける滑らかさの中にもトルクを感じます。
ギア比がちょっとだけ抑えられていますが、実用ドラグはほぼ倍になっていて、巻き揚げ長は少し短くなってるので実際の数値上でもトルクは増していると思います。
18よりも20ツインパワーのような滑らかさプラス、パワーのある巻取りが可能になった感触を受けました。
飛距離とキャストフィール
正直フルキャストしてみても飛距離の違いはそこまで大きく違った印象はなかったです。
使用するルアーや組み合わせるロッドのタイプにもよると思われます。
スタンダードなMLタイプのロッドで15g前後のミノーやバイブレーションをキャストした際、振り抜いた時のラインの初速の着き方などキャストフィールは心地いい感じ。
これも密巻きによるものなのでしょうか。もう少し使い込んで見て立証したいと思います。
22ステラ3000MHGと組み合わせるロッド
今回の実釣では軽量なMLタイプのロッドとMHタイプの2種類を用いた結果、
ずっとメインで愛用しているエクスセンス ジェノス S92ML(自重124g)に22ステラをセットした時には使い始め手元が重くなる感覚がありました。
嫌な持ち重りではなく、ズンッとどっしり構えて下から支えられている印象です。
使っている間に何も旧モデルとの差を感じなくなりましたが、
もう1本のMHタイプのロッドヤマガブランクスのバリスティック96MMH(自重151g)に着けたときのほうがロッドとのバランスはしっくりと来る感じがしました。
これも個人的な好みなどが大きく反映される部分なので、一概には言い切れませんが、
もっともよく使われる8.6ft~9ft前半のロッドで7cm以下15g以下のルアーを多用するような釣りをメインにされる方はタックルバランスを考えてみる必要があるかもしれません。
ダルく感じる重さではありませんが、決してライトな感覚ではないです。
「これがステラなんだ!」と思える人でないとタックルバランスは厳しい部分でもあります。
特に昨今のエクスセンスやブランジーノのシーバスロッドは非常に軽くなっているので手元だけが重くなると、LタイプやMLの柔らかめのティップだとキャストの力の入れ加減が少しだけ難しくなります。
けど、あとは慣れとテクでなんとかなりそうなレベルなので、
どうしてもシーバスには3000MHGと思う人は、気にせずに今あるロッドに使っても何も問題ないと思います。
主観的ではありますが、シーバスメインにするなら3000MHG、または4000番以外に選択肢はないと思っています。
シマノ 22ステラ 3000MHG
ロッド:シマノ エクスセンス ジェノス S92ML/F3
ヤマガブランクス バリスティック TZ/NANO 96MMH
リール:シマノ 22ステラ 3000MHG
ライン:東レ シーバスPE パワーゲーム デイタイム 0.8号
このあとは番手違い、2500SHGのインプレです↓
22ステラ実釣インプレ:2500SHG編
こちらもまた18から新調した22ステラ2500SHGのバス釣り実釣インプレです。
ちなみにステラの番手で一番人気はC3000であり、2位がC2500です。釣り種を限定していない数です。
2500番はバス釣りを基本に設定された番手で、チニングやトラウトに使用されることもあります。
しかし最近の軽量化傾向でC3000やC2500を使う人が増えてきており、バス釣り人口の減少とともに2500番の人気は薄れつつあります。
そうした中であえて2500SHGにした結果は・・・。
ギア比 | ドラグ:実用/最大(kg) | 自重(g) |
---|---|---|
5.8 | 2.5/4.0 | 205 |
最大巻上長(cm) | フロロ糸巻量(号-m) | スプール径/縦(mm) |
86 | 4-130 | 47/17 |
リーリングや飛距離などについては先に解説しているので、こちらでは省きます。
タックルバランス
人気があまりないバス釣り用の番手の2500番を22ステラで選んだのは、いま思えばチャレンジでしたw
先にも言ったとおり、バス釣りに適した番手ですが圧倒的にC3000やC2500を選ぶ人が多いのも事実です。
僕もC2500Sと迷いましたが今回はバサーらしく2500にしてみたのですが…
以前使っていたステラはC2500SHGだったので重さが25gも増えて高剛性になっているのは確かだと思うけど、この重さが気になりました。
22ステラには18ステラの時にはあったC2500SHGがラインナップになくC2500SXGになっています。
それを選んでいれば逆に5gほど軽くなっていたのに…。
今回筆者が組み合わせたロッドは軽いリグやルアーをキャストできるよう用いたLタイプのロッドだったため、
手元だけが重くなって、ルアーの重さをロッドティップに乗せて上手くキャストできるまでに、慣れるまで少し難しかったです。
正直、「やってしまった~」感が大きかった(泣)
バス釣りでスピニングを用いるときは細いラインでフィネスに使う目的で選ばれることが多いので、感度にも繋がる自重の軽さは非常にアドバンテージが大きくなります。
このあたりのバランスを考えるとフィネスバスに使う22ステラはC2500番が適しているように思います。ヴァンキッシュならC3000番も。
個人的な意見ですがスモールマウスを狙うときなどのUL~Lタイプの柔らかいスピニングロッドでは特にC2500番が最適だと思います。
シマノ 22ステラ C2500SXG
密巻きによるライントラブル!?
密巻きになったインフィニティループのデメリットとされるライントラブル。
これはラインテンションが掛かっていないときにスラックを取るときに起こりやすくなります。
今回あえてトップペンシルでロングジャークをしながら何も意識せずに巻いてきたときの様子が上の写真です。
ローラーから糸巻きするまで感覚が少ないためふわっとラインが浮き上がってしまうためだと思われます。
(まぁ~下手クソなのもあるかも知れませんけど・・・)
またこのあと7gの軽いルアーをキャストしてポッピングしたときにはしっかり巻かれていないラインの上に次に巻いたラインが乗っかってしまってビヨンッと一か所だけ飛び出していました。
そのあと直してキャストしなおすもまたコブが出来てたり…。
これも密巻きによるものと思われます。
これは今回使用したPEがしなやかなタイプだったのでもう少し固いPEを使っているときはまた結果が多少なりと違うと思います。
気をつける点としてラインスラックを取るときに、ロッドを持ち上げるなどして
ラインに負荷を掛けてから巻き取る
ことを意識的にやると防げるようになります。
リールにラインを巻くときにリサイクラーなどを使いテンションを掛けてやるとしっかりと巻きつけられるのと同じ要領です。
22ステラの人気番手
今回購入して実際に釣りをしてみたのは2機種で、シーバスとバス釣り用です。
シーバスにはやはり3000MHGまたは4000MHGでしょうね。理由は旧作のインプレも読んでもらったらわかります。
あと22ステラで人気番手でいうと4000XGとか?
エギングならC3000番、バス釣りでいうとC2500、C3000になるのかな…
これ↓この動画見るとおもしろいです。
新しいステラが発売されると、プロアマ問わず全国のステラユーザーから注文が殺到するという、誰もが認めるリール鑑定士!?でもある村田基さんの切り抜き動画です。
バス釣りでの人気番手と不人気番手の差を実際の数字で表現してくれているので伝わりやすいです。
ちなみに村田さんはシマノから届いた製品を一台一台チェックして回転がおかしかったら送り返すそうです。
この厳密な判断が高価なステラを買うアングラーの信頼を得ているのでしょう。
22ステラに適している釣り種
軽いルアーを多用する釣りや糸ふけを生かした釣り方などには22ステラは向き不向きがあると思います。
今回試した番手は2つだけなので、ほかの番手によるほかの釣り種は試せていませんが、
極細のエステルラインで軽い1g以下のジグヘッドを扱うアジングなどでは、巻いている時の負荷が軽すぎて密巻きの時にコブができやすくなります。けどプロの方でもアジングでステラ使ってる人はいますので一概には言えません。
激しくしゃくり続け感度(軽さ)も必要なエギングにも自分なら選びません。
ここも好みの問題もあるでしょうから高剛性重視の「重さ」や「密巻き」を頭に入れたうえでご自身の判断でお願いします。
また、大きくしゃくって素早く巻き取るジギングにもこの密巻きは上手く使いこなすまでに時間が必要かもしれません。
以前から言ってますがジギングにはステラSWやツインパワーをおすすめします!!
釣りしてわかった22ステラの最高峰の意味
22ステラの魅力をお伝えしながら、素直に実釣インプレをしてみましたがいかがでしたでしょうか。
今回試したのはシーバス用の3000MHGとバス釣り用に選んだ2500SHGのみですが、
使ってみてやっぱりステラだな!というのが率直な感想です。
22の渋めのガンメタぽいルックスよりも前作のキラキラした見た目が好きだったし、
価格も以前よりもグンと高くなってしまったので、他の機種に浮気するか、買い替えるかどうかを迷った挙句に購入した感想がこれです。
ステラの穴埋めはステラじゃないと出来ないと再確認することができ逆に良かったです。
ステラを使い続けるアングラーは、やはりその性能や見た目の良さだけでなく、この使って釣っている満足感などを満たしてくれるステイタス性に惹かれている部分が大きいと思います。
・巻きの滑らかさは最高峰!
・使って釣る満足感はこの上なし!!