ソリッドとチューブラーの違いと2つの特徴と向いている釣り種について解説します。
一般的なロッドの構造であるチューブラーと特にティップなどでソリッドと聞いてはいるけどなんとなくはわかっていても明確には知らない人が多いと思います。
筆者自身も最初のころはもやっとしか理解していませんでしたが、双方の特徴を正しく理解できたら使い分けができるようになり釣りの幅が広がりました。
こからロッドを選ぶときなどにもきっと役立つ、
ソリッドとチューブラーについて詳しくお話ししていきます。
長い経歴(釣り歴平均12年以上)を持つ釣り好きが集まった共同運営チームです。釣り種によってはメーカーのテスターも有しています。メーカーやプレスリリースでは伝えることのない一般ユーザー目線で忖度なしにお伝えすることを目的としており、タックルやアパレルなど率直なインプレや実釣経験を基にした記事をお届けします。
チューブラーの特徴
一般的に現代の釣り竿の多くに用いられているものがこのチューブラーと呼ばれる構造をしています。
現在主流のカーボンのものやグラス繊維でも曽於材が違っていても同じく、その厚みが違えどこの構造自体はもっとも用いられているロッドの製法です。
中身が空洞
通常ロッドに使用される素材の薄い板状になっているものをマンドレルといわれるあらかじめロッドの形状になるように象られた棒芯に巻きつけて、その上から素材のカーボンテープなどを巻きつけてつくりあげます。
このときのパターンと呼ばれる板状のものの厚みや素材の違いでロッドアクションを決めていきます。
で巻きつけたあと接着してからこの中の棒芯(マンドレル)を抜き取ります。
こうすると中が必然的に空洞になります。
断面の大きさが同じでも空洞の大きさは素材の厚みで変わってきます。
軽量化できる
中が空洞なので同じ素材、同じ径で成形しても、見た目は同じように見えても軽くできます。
ソリッドの特徴
チューブラー構造のロッドが多い中でもソリッドといわれる構造の(特にティップ)があるのにはそれ相応の理由があります。
中身が詰まっている
ソリッドはチューブラーと異なり、内側が詰まっています。要するに周りにだけ素材があるのではなく中にも素材が詰まっています。
素材そのものを成形、伸ばすことで形づくられるのでチューブラーよりも製作が容易になるといった特徴を持っています。
細くできる
ソリッドは中身が詰まっている分、ある程度強度も保てるためチューブラーと同じ強度を保とうとしたとしてもチューブラーよりも一段細くすることが可能になります。
またチューブラーのように成形するときに棒芯を必要としないため、棒芯分の太さを考えることがいらなくなるのでより細くできるわけです。
しなやかに曲がる
ソリッドの場合チューブラーよりも反発力が少ないのでしなやかに曲がります。
一般的なソリッドティップになっているロッドでもティップより下からブランクスにかけてはチューブラーになっています。
その2つをガイドの箇所で接続しています。その支点となる箇所から急に曲がっていくため
ソリッドティップはいわゆる先調子、ファーストテーパーのロッドが多いです。
ソリッドティップとフルソリッドの違い
ソリッドやソリッドティップとだけ記載がある場合はティップだけがソリッド構造になっていることを示し
ティップだけではなく、ロッド全体をソリッド構造でつくられたものがフルソリッドと呼ばれています。
フルソリッドロッド全体を使ってまるでグラスロッドようにブランクスから大きく曲げることができるため堅い口でついばむ真鯛のタイラバなどに適してると言われています。
ロッド全体でファイト中にいなすことふができ、フックアウトを防ぐことを得意としていますが
反面、カーボンロッドに慣れている人には曲がり過ぎるため力が分散してしまいパワーファイトは苦手で感度は落ちます。
また空洞がなくが材質埋まっているため総じて重たくなる傾向があります。
これらのいいとこどりをしたものがティップだけをソリッドにしたソリッドティップということになります。
チューブラーのメリット
ハリがある
カーボン素材のチューブラーは特に場合弾性が強くなり、ハリがあります。
手感度がバツグン
ハリがありルアーを底まで沈めた際にも、ボトムタッチが鮮明に手元まで伝わり、
魚がバイトしてきたときに、ダイレクトに手元まで感覚が伝わってきます。
ルアーの操作がしやすい
ティップにハリがあり余計に曲がったりしないため、手元の動きをダイレクトにルアーに伝えることができるのでチューブラーの方がルアーを思い通りにアクションさせることが可能になります。
特に重ためのルアーでこれが顕著に表れます。
チューブラーのデメリット
弾いてしまう
先に解説したメリットがデメリットになってしまう場面もあります。
ハリがあって反発力が強いチューブラーは、ショートバイトなど活性が低い魚の微弱なバイトだと乗せきれずに弾いてしまうことがあります。
これがチューブラーの持つ唯一のデメリットと言えます。
このことでアタックしてきた魚にも違和感を与えてしまうことを指摘するアングラーもいます。
ソリッドのメリット
食い込みがよくなる
ソリッドの最大のメリットは乗せやすさです。
ティップが曲がって弾くことなく魚の動きに追従するため僅かなアタリも拾うことが可能でフッキングしやすくなります。
目感度が良い
またアタリを感覚的に感じられなくても、ティップが曲がることで目で見てバイトを感知することができます。
僅かなアタリでもティップが先に入ることで目視で判断できるといったメリットがあります。
軽いルアーの操作性が良い
アジングやメバリングなど小型のルアーを使う場合や、バス釣りのノーシンカーなど軽いリグをキャストしやすく
そういった軽いルアーやリグのトゥイッチなど細かなアクションの操作もしやすくなります。
ハリがあるチューブラーの場合だと、同じアクションをさせようとすると大きく動かさないとルアーまで伝わらないといったことが起きてしまいがちですが、
ソリッドの場合ティップだけをチョンッチョンッと動かしてアクションさせるような繊細なアプローチを行うことができます。
ソリッドのデメリット
感度が鈍い
ロッドがティップ側から良く曲がりしなるために、ロッドが先に抵抗を受け流してしまうために感度が鈍くなります。
ボトムに着底したときの「ゴンッ」とか、小さな魚の「コツコツッ」
エギングなどのときの「モワンッ」といった微細なアタリは感じ取りにくいです。
フルソリッドロッドだとこのことが顕著に出てきますが、ブランクスはチューブラーでティップだけがソリッドのソリッドティップタイプのロッドだと、
ブランクスで感度を良くして、曲がるティップで食わせ能力を高めることが出来ます。
キャストがしずらい
ソリッドは曲がりやすくよくしなるのでルアーや仕掛けを繋いだだけで
キャストする前から竿先が垂れ下がってしまうことがあり、非常に投げずらいと感じることがあります。
チューブラーだと反発力で押し出すので飛ばすことが出来ますが、曲げていなすソリッドだとそれが難しくなります。
ソリッドに向いている釣り種
これら先に解説したそれぞれ2つのタイプの特徴とメリット、デメリットを理解できたところで
デメリットを最小限に抑え、メリットを生かせる向いている釣りをご案内します。
ソリッド
ソリッド構造のロッドはざっくり言うと以下のような釣りに向いています。
●アジングやメバリング
●秋イカエギング
●タイラバ
●バス釣りフィネス
●アユの友釣り
渓流や管釣りのトラウト類やアジング、メバリング
小型でモワンッとしたアタリが特徴の秋イカのエギングが向いています。
特に口が柔らかく身切れもしやすいアジングやメバリング、秋イカの柔らかいアタリを感じ取り絡みとるようにフッキングさせるためには、
ブランクスが感度の良いチューブラーで乗せ調子のソリッドティップのロッドが適しています。
硬く小さい口でアタックしてくる真鯛のフッキング率を高めるためにタイラバや
スピニングで細いラインを使用したフィネスのバス釣りなどに向いています。
また船の上から波が荒く、潮が速いときなど渓流釣り上下に揺れるため、チューブラーだとテンションが抜けてしまいバラシてしまうことがありますが、
ソリッドだとロッドが曲がり動きに追従するのでロッドの位置が変わってもテンションを保ったままバラシを軽減することが可能になります。
チューブラーは万能型
逆にチューブラーのロッドは釣り種全般に向いています。
双方の欠点を埋めるメタルトップや高弾性カーボン
上記で解説したソリッドの乗せやすさなどの能力を生そうとすると必然的についてくる感度が鈍る問題を
克服できるものが金属製のメタルトップ(ティップ)と高弾性カーボンを使用したソリッドティップです。
ハイエンドクラスのロッドに用いられていることが多く高価ではありますが、
ソリッドのデメリットを緩和しよりメリットを生かしたロッドに仕上がっています。
まとめ
ソリッドとチューブラーの2つのタイプのロッドにはそれぞれ得意なメリットと苦手なデメリットが存在しています。
それら特性を理解してロッドを選ぶことでより快適に釣りができ
ターゲットの魚をテンポよく釣り上げることができ釣果アップが図れます!