リールのオイルとグリスの使い分け方|注油する箇所ごとの使い分けとおすすめスプレーセット

リールのメンテナンスに欠かせないオイルとグリスの注油。

メーカーの純正スプレーセットを揃えてもどこにオイルを注油していいいのか、それともその個所はグリスなのかをひとつひとつ写真付きでオイルとグリスの使い分け方を解説します。

そのあとにおすすめのオイルとグリスの便利なスプレーセットをご紹介します。




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リールのオイルとグリスの必要性

リールのオイルやグリスの使い分け
画像:Il Pescaria

リールの機能を円滑かつ、性能を十分に発揮させるためには定期的なメンテナンスが欠かせません。

釣行ごとのリールの洗浄さえ毎回やっておけば、ある程度の塩嚙みや汚れの蓄積によるゴリ感などは防げますが、
必要な個所に、必要なオイルとグリスを必要量注油してやるだけで、性能を保持し長く使うことができます。

注油する場合の注意すべき点

ダイワのマグシールドや、シマノのXプロテクトなどのリールはオイルやグリスを注油することで本来の防水機能が損なわれることもあります

メーカー独自の防水構造が採用されているリールに関しては、慎重に判断してください。

メーカーのホームページで調べたり、問い合わせるなどして自分の持っているリールに最適な使い分けをしてください。

あくまで大切なリールを長く使い続けることを目的にした注油やメンテナンスです。

後でもご説明しますが、自分でやってみて逆に壊してしまうくらいなら、

自分でメンテする以外にもオーバーホールに出すなど他の方法も選択肢のひとつであることを覚えておきましょう。

リールのオイルとグリスの違い

オイルとグリスの違い
画像:Il Pescaria

リールのメンテナンスに使うオイルとグリスはそれぞれ性質が異なり、使い方も違います。

オイルの特性

オイルは、エンジンオイルなどでおなじみトロンとした液状の潤滑油で、個々の部品に馴染みやすく細かな隙間にも入り込みやすくギヤやベアリングなど回転する箇所に適しています。

グリスの特性

液状の潤滑剤に増稠剤(ぞうちょうざい)を添加し粘度を調整された、半固形または半流動性の潤滑油のことです。

この一カ所に留まりやすく動かない粘度を利用して金属同士の摩擦防止や、水や埃の侵入を防ぐことも可能。

英語ではグリース(grease)のことを日本語ではグリスと呼ばれています。

どちらも「潤滑剤」としては同じですが、そのものが持つ特徴的な性質を利用するためには、適切な使い分けが必要です。

オイルとグリス使い分け:スピニングリール

リールのオイルとグリス使い分け|スピニングリール
画像:Il Pescaria

まずはスピニングリールのオイルとグリスの使い分けから

ひとつひとつ注油する箇所ごとに写真つきで解説します。

①ハンドルノブ

ハンドルノブ|注油する箇所と使い分け
画像:Il Pescaria

スプレータイプのオイルを使用します。

軽く拭きかける程度でいいですが、シュッとひと拭きしただけでもこぼれてきます。

その分は余分な量になっているのでティッシュ等で拭きとってください。

ハンドルノブ側の内部にあるボールベアリングはグリスです。リールを分解して注油する人は注意しましょう。

②ラインローラー

ラインローラー|注油する箇所と使い分け
画像:Il Pescaria

ここもオイルを使用します。

同じく軽く拭き掛けて余分にこぼれたオイルは拭き取りましょう。

シマノの一部のモデルにはここにスプレーの先を差し込んでオイルを注油する「オイルインジェクション」という小さな穴が開いている機種もあります。

③ベール接合部

ベール|注油する箇所と使い分け
画像:Il Pescaria

ここもこれまでと同じく軽くオイルスプレーをします。

余分に垂れてきたオイルは拭き取ってください。

④ハンドル接合部

ハンドル接合部|注油する箇所と使い分け
画像:Il Pescaria

こちらも他と同じように、回転させる箇所なのでオイルを吹きかけます。

他のオイルを使う個所と同じですが、1回の注油メンテナンスには軽くひと拭き=ほんの1滴程度で十分です。

⑤スプール受けのシャフト

シマノとダイワや機種で異なる

シマノリールの場合のスプールシャフト|注油する箇所と使い分け
シマノの場合
画像:Il Pescaria

ここもオイルを使用します。

シマノとダイワや機種で異なるので、製品に付属しているメンテナンスのやり方や公式ホームページを見て自分の手持ちのリールに適したやり方を確認してからにしましょう。

解説に用いたリールはシマノのヴァンキッシュです。

ダイワリール場合のスプールシャフト|注油する箇所と使い分け
ダイワの場合
画像:Il Pescaria

ダイワのリールの場合、スプールを接合するメインシャフトと、下のウォームシャフトで使い分けが必要です。

⑤の箇所はオイルで。

⑥の箇所にはグリスを注油します。グリスはサッと拭きかけて綿棒などで全体に均等になるように馴染ませます。

この部分にもオイルを使用する人もいます。
グリスを使用することで若干巻きが重たくなる場合もあるからです。

オイルとグリス使い分け:ベイトリール

リールのオイルとグリス使い分け|ベイトリール
画像:Il Pescaria

次はベイトリールの注油する箇所とオイルとグリスの使い分け方を解説します。

①ハンドルノブ

ベイトリールのハンドルノブ|注油する箇所と使い分け
画像:Il Pescaria

スピニングと同じ要領でオイルを注油します。

オイルスプレーで軽くシュッとひと拭き程度(1滴ほどで十分)し、流れて垂れてきた余分なオイルはティッシュ等で拭き取ってください。

ハンドルノブ側の内部にあるボールベアリングはグリスです。リールを分解して注油する人は注意しましょう。

②スプールシャフトとベアリング

ベイトリールのスプール部|注油する箇所と使い分け
画像:Il Pescaria

スプールを取り外してスプール本体のメインシャフトとベアリングにオイルを吹きかけます。

これまでと同じ要領でいいです。

ベアリングにオイルを使う個所は基本的にスプール支持箇所のみです。そのほかのリール本体にあるベアリングは基本使用する潤滑剤はグリスです。覚えておきましょう。

③メカニカルブレーキ

メカニカルブレーキ内部|注油する箇所と使い分け
画像:Il Pescaria

丸いメカニカルブレーキの回して外し、内部にグリスを注油します。

スプレーでほんの1滴程度垂らしたら、綿棒などを使用し全体的に均等に馴染むように伸ばしていきます

④レベルワインダー

レベルワインダー|注油する箇所と使い分け
画像:Il Pescaria

レベルワインダーにもグリスを塗ります。

リールにオイルとグリスのおすすめスプレーセット

やはり、この二つですね。ダイワとシマノ。

もちろん両メーカーのリールに最適なことは確かな事実ですが、それだけでなくアブガルシアなどほかのメーカーのグリスも販売されていますがオイルがなかったりするので、

メーカーは違えどこのダイワとシマノのオイルとグリスがあれば応用できると思います。

ダイワ リールガードスプレーセット

シマノ リールメンテナンススプレー

細部のメンテナンスはオーバーホールに出す

リールは毎回の釣行後の水での洗浄はもちろん必要ですが、上記のようにオイルやグリスの注油は年に一度は行っておきたいものです。

ただし面倒だし、素人には分解してまで細部に渡ってのメンテナンスはハードルが高いです。

ましてや素人では何か不具合があっても気が付かないこともあります。

そのため時間とお金が掛かりますがメーカーや専門ショップにオーバーホールなどメンテナンスに出すこともおすすめです。

オーバーホールだけだと3500円程度でできます。(修理、パーツ交換が必要な場合のみ別途料金が掛かる)

自分の場合釣り道具のメンテナンスも楽しみながら出来るタイプなのですが、高価なステラのリールだけは毎年、

年に一度だけ、真冬の1月中にシマノへ送ってオーバーホールしてもらっています。

このようにオフシーズンとか釣りをしないときにだけ、手持ちのリール全部じゃなくても効果なものだけ出すこともやってみるのも大事な自分の釣り道具の性能を長く保つためのひとつのメンテナンスの方法です。