日本の固有種である二ホンウナギ。こちらは日本の夏を彩る高級魚として長年親しまれていましたが、これが日本を取り巻くアジア圏の国々でウナギの稚魚シラスウナギを使った反社会勢力の資金源になっているのだそうです。これをウナギロンダリングというそうです。
この違法にお金を稼ぐことにウナギが使われるようになっていましった背景とは?
出典:徳島新聞
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ウナギが違法取引しやすいワケ
もはや二ホンウナギは安定供給できる魚ではない…
出典:文春オンライン
ウナギは人工ふ化からの完全養殖が確立されていません。国産ウナギは、シラスウナギを買い取った養鰻場で育てられたものです。シラスウナギの採取には漁業権をもった認可の取られたところから仕入れる通常ルートだけでは数量がまったく足りておらず、そのほとんどを輸入分に頼っています。現在輸入されるシラスウナギの輸入元は香港。
シラスウナギが生息している地域は多くは日本、台湾、韓国、中国であり、香港では捕れる捕れないもシラスウナギ漁が行われていません。台湾では輸出は禁止されています。そうです、中国本土や台湾から密漁分が違法に香港へ流されそこから日本へ、正規輸入品として合法的に入ってきます。これがウナギロンダリングです。
また国内にいる無許可で行う密漁者たちと、許可を受けた採捕者が過少報告(無報告漁獲)し無報告分を密売するなどの違法取引を行っている分で二ホンウナギとして売買される量が補われています。
どちらも正規ルートではないので、お金になるのだけど、出所がはっきり特定されないので”足が付かない”ので税金逃れもできることから資金洗浄にはもってこいのものとなっています。そのために日本人のみならず各国のそういった悪者の手に染まっているのが現状なのです。
これが高値で取引されるシラスウナギが「白いダイヤ」と呼ばれる所以です。
なぜバレない!
出所が違法であろうがなかろうが、日本の養鰻場で育てられたものはすべて「日本産」として売られます。誰も疑ったりしません。
さらにこんなにも二ホンウナギの稚魚の量が減少している中でも、保全には日本政府は消極的であり、違法な取引についても好ましくないとしながら今のところ何も措置は打たれていません。何か大きな怖いバックの存在が見え隠れします。
養殖技術が確立され広まれば解決しそうですが、こういった問題は根が深くて一筋縄にはいかない気もします。
違法を一掃するための大手企業の取り組み
昨年の土用の丑前から大手小売業者であるイオングループが、シラスウナギの産地まで遡って情報が提示される透明性の高い持続可能なウナギ養殖プロジェクトとして「静岡県浜名湖産うなぎ蒲焼」を販売しました。
稚魚の産地まで遡ればわかるウナギ。私たち消費者もそこを気にして守るだけでも違法なウナギの少しづつ減らせることができます。