アオリイカの生態と習性|エギングに備えて得する役に立つ豆知識

アオリイカの生態と習性についてのお勉強会です。エギングなどで釣りイカの種類の中でもメインターゲットなるアオリイカですがよく考えてみると知らないこともたくさんあります。

釣りに行ったときにどうしたら釣れるのか。釣行時間や釣れる時期、ポイントやエギの選択などにも役立つ・・・

うん、たぶん役立つ、きっと役に立つ^^/
アオリイカの生態と習性について解説いたします。

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アオリイカの生態

アオリイカの生態
画像:Aquarium of the Pacific

 

アオリイカの生息域

スルメイカなどと同じツツイカの仲間であるアオリイカは、日本を含むアジア圏を中心に生息しています。比較的暖かい海を好む傾向があるため、その生息域はオーストラリア北部から日本の北海道以南にかけて広く分布しています。

しかし、近年は地球温暖化に伴う海水温の上昇によって、北海道でも生息が確認されるようになりました。ただし、年間を通して水温が高い本州中部以南とは異なり、北海道など北部の海域では水温が温かい季節にしか見ることはできません。なお、アオリイカはカリブ海にも生息していますが、カリブ海のアオリイカは日本近海に生息しているアオリイカとは種類が異なります。

 

アオリイカの寿命

一般的に、アオリイカの寿命は約1年と言われています。寿命は長くても1年半程度で、春から夏にかけて産卵された卵は約1か月後に孵化し、秋から初冬になるまでに約300から1,000gほどまで成長します。

半年ほどで1,000gほどまで大きくなる成長スピードの早さがアオリイカの大きな特徴です。そして、翌年の4月から9月にかけては親イカとして産卵を迎えますが、アオリイカは産卵を終えると死んでしまいます。そのため、アオリイカは1年サイクルで代が変わっていくという特徴があります。

 

アオリイカの適水温

アオリイカは、温度変化に非常に敏感で、摂食行動や繁殖に大きな影響を与えます。生息限界水温は13℃から14℃とされており、15℃から16℃ほどで捕食行動を取るようになりますが、15℃を下回ると多くの個体が沖の深場に移動を開始します。

一方で、高温な環境には比較的強いです。極端な高温でなければ水温が高いほど活発に活動し、エサを積極的に追うようになります。産卵についても15℃ほどが目安で、春になって水温が上昇すると沖に移動していたアオリイカは産卵場となる浅場へと近づいてきます。また、日本海側においては、温かくなると水温が高い対馬海流にのって北上し、寒くなってくると南下するといったように、水温変化によって生息域が変わるのもアオリイカの特徴です。

産卵は水温16℃以上で行われているといわれているので、16℃以上が保たれる時期なら基本的に釣れる可能性があると考えて間違いないです。

アオリイカは寒さを嫌い、水温が15℃を下回ると深場に移動しますから、秋に釣るなら早めが良いでしょう。
逆に暑さには強いので、温度変化が少なければ水温が30℃くらいでも普通に生息します。

 

アオリイカの活動時間

アオリイカは夜行性で、日中よりも夜間の方が活発に活動する傾向があります。日中は潮の動きに合わせて活動し、機会があれば捕食行動を起こす程度ですが、夜間になると積極的にエサを求めて活動を起こします。

また、アオリイカは月明かりほどの一定の明るさを好むと考えられており、実際に満月になると漁獲量が上昇するというデータもあるほどです。

このような特徴があるため、釣りの際は他の多くのターゲット同様に、日の出前後と日の入り前後がおすすめです。日中と夜間のどちらの時間帯に釣りをするにしても、いずれか一方のマズメで釣りができるように計画を立てておくと良いでしょう。

 

アオリイカの種類

一口にアオリイカといっても、日本沿岸で釣れるアオリイカは大きくシロイカ型・アカイカ型・クワイカ型の3種類に分けられます。

シロイカ型は、中型サイズのアオリイカで、日本全域に生息しているため良く釣れるタイプです。

アカイカ型は、非常に大型になるタイプで5kgオーバーのサイズまで成長する個体もありますが、九州以南の深場にしか生息していません。

クワイカ型は、比較的小ぶりなタイプで、こちらも九州以南に生息しています。なお、上記の通りアオリイカはカリブ海にも生息していますが、こちらはアメリカアオリイカという種類に分類されます。




アオリイカの習性

アオリイカの習性と食性
画像:水産庁

 

アオリイカの食性、何食べる?

アオリイカの食性は、エビなどの甲殻類やアジやイワシなどを捕食する肉食性が強いことでもしられています。アオリイカが口にするのは生きている小魚と、甲殻類が主な餌となります。

少なくとも魚の死骸は食べないことがわかっています。ちゃんと見極めているのでしょう。

他の種類のイカは死んでいる魚も食べるものが多いので、アオリイカはある意味でちゃんと美味しい元気になれるものを五感で判断できるグルメなのかもしれません。

具体的に何を口にするのかいうと、小魚やエビといったもので、魚はイワシやアジなどの稚魚を好みます。

ヒラメやカレイの稚魚も食べますから、好みの範囲は広くて、好きなものについては割りと何でも食べるようです。傾向として細身で口にしやすく、イワシの形に似ている魚がアオリイカの好みにあてはまります。

 

アオリイカは回遊性

アオリイカは回遊性、つまり定期的に移動しながら生活しています。一箇所に留まることがあまりないので、以前見掛けた場所でも次にまた見掛けられるとは限らないです。

とはいえアオリイカといっても個体差があり、積極的に回遊を行う個体もあればそれほど移動しない個体も存在します。

しかし基本的には回遊性ですから、その点を念頭に習性を理解した方が良いでしょう。習性が分かるとアオリイカの理解が深まりますし、何より釣りをする際の強みが得られます。

特にエギングにおいては食性と共に回遊性がポイントや潮流を見極めることに役立ち、釣果の鍵を握ることになるので、釣りをするなら覚えておいて損はないです。

 

アオリイカはきれいな水が好き

アオリイカはクリアな水にしかいない潔癖な印象がありますが、普段生活する生息域の水質についてとても敏感です。

きれいな水を好みます。水が濁ったり淀んでいる場所は逆に避けますから、そのような水質が低下しているような場所で粘ってもアオリイカに出合える確率は低いでしょう。

常に水がフレッシュな状態の場所がアオリイカの好みなので、海水が常に流れ込み続け、きれいな水で酸素飽和濃度が高いような場所こそがアオリイカを狙い打つのに最適なポイントであることもわかります。

例えば堤防だったり磯が狙い目で、いわゆる潮通しが良いところが理想的な環境となります。

 

アオリイカは塩分濃度の変化に敏感

アオリイカは回遊性にも関わらず、様々な変化を嫌う性質があります。水温の変化も嫌いますが、水温と同様に塩分濃度にも敏感に反応します。

アオリイカは、雨が降っただけで急に釣れなくなるといわれているくらいなので、僅かな塩分濃度の変化でも移動してしまうといえます。ちなみに、雨が降るとアオリイカは深場を目指して潜り始めます。

理由は勿論、水面に近いところの塩分濃度が下がり始めるからで、元の塩分濃度に近い場所を目指して移動するためです。

ただし、アオリイカは塩分濃度の濃度うんぬんよりも、いつもの環境と大きく変わってしまう変化自体を嫌うので、いつもの何度も来ているポイントなのに「なんか様子が変だなぁ…」と感じているときには先にアオリイカが感づいて行動した後かもしれないという予測もランガンする際に役立ちます。

アオリイカが釣れる時期と時間

アオリイカが釣れるのは適水温といわれる水温25℃以上の環境で、エギングの時期でいえば春と秋となります。

年間を通して15℃以上30℃以下の水温が保たれる場所なら、アオリイカがいつでも狙えるわけです。

なお、アオリイカを釣るなら産卵をするために岸近くに近づいてきた春、もしくは孵化してからある程度のサイズになり、エギの派手なしゃくりアクションなど動くものに反応する新子イカがたくさん釣れる秋がおすすめです。

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