アユ釣り初心者の方のためのアユ釣りハウツーガイドです。
基本的な釣り方はもちろんのこと、アユの生態や時期から鮎竿や仕掛けなどのほか、はじめる前に揃えておきたい必要最低限の道具のおすすめをご紹介します。
イメージ的に堅苦しい雰囲気のある釣りではありますが最近ではルアーを使った釣り方もあるなど以前と比べたらグッと身近になったアユ釣りをこれからはじめる初心者の方の永久保存です。
長い経歴(釣り歴平均12年以上)を持つ釣り好きが集まった共同運営チームです。釣り種によってはメーカーのテスターも有しています。メーカーやプレスリリースでは伝えることのない一般ユーザー目線で忖度なしにお伝えすることを目的としており、タックルやアパレルなど率直なインプレや実釣経験を基にした記事をお届けします。
アユ釣りとはどんな釣り?
アユ釣りは日本に古くから存在し、古代にはすでに鮎を釣ることが行われていました。
アユは季節ごとに川を遡上し、産卵のために川を遡る魚であり、その移動する姿を釣り師たちは楽しんで釣りを行ってきました。アユ釣りは、自然との調和や季節の移り変わりを感じる伝統的な日本文化の一部として受け継がれています。
鮎は、流れの速い清流や川の瀬に多く生息しています。瀬の中で糸を使ってアユを釣る方法が一般的です。
釣り師は竿を巧みに使い、主に動く瀬を狙います。
伝統的なアユ釣りは、釣り師の技術や自然との共感、季節の移り変わりを感じる心地よさが特徴です。近年では、環境保護や漁業の観点から、鮎の遡上を助けるための取り組みが行われています。
アユの生態と習性
日本の清流や川に生息する魚で、伝統的な釣りの対象として親しまれてきました。
生息地として清澄な水と流れの速い清流を好みます。水質が悪化したり、水流が遅いと、鮎の生息環境が脅かされます。したがって、環境保護が重要な要素となっています。
アユは非常に警戒心が強く、臆病な性格です。特に成長が進んだ成魚は、釣りや外敵に対して敏感に反応します。
また鮎は主に水中のプランクトンや藻類を食べる雑食性の魚です。
このような習性や食性を利用して現在のアユの釣り方が確立されてきました。
アユ釣りの時期
アユは生涯を通じて海と淡水域を行き来します。
春から夏にかけて、成魚は川を遡上(遡ること)して上流部や支流に産卵のために遡ります。遡上の期間は地域によって異なりますが、一般的に4月から7月にかけて行われます。
季節によって行動が変化し、遡上する春から夏にかけては釣りの主要なシーズンですが、秋には川を下って海に戻り、冬には海で過ごします。
アユ釣り初心者のための代表的な3つの釣り方
アユ釣り初心者向けには、代表的な2つの釣り方講座があります。それぞれ友釣りとドブ釣りです。
釣りの基本的なテクニックを身につけたい初心者の方々にまずは知っていてほしい釣り方2つをご紹介します。
アユ友釣り
アユの中でも特にポピュラーな釣りかたの一つです。友釣りと呼ばれているオトリ(仕掛け)を使用する釣り方を指します。
アユには縄張りがあるため、その場所に向けて仕掛けを投げ込みます。オトリを縄張りに侵入してきた他のアユだと勘違いし、オトリに向けて攻撃を仕掛けてくるというのが通常の流れです。
仕掛けに攻撃した時に針が刺さり、釣り上げることができます。
同じ友釣りといっても、引き釣りと泳がせ釣りがあります。
テクニックが必要になる泳がせ釣りは初心者には難しいです。初めてアユ釣りに挑戦するのであれば、まずは引き釣りから始めてみましょう。どちらにせよ、コツをつかむまでは難しいと感じる可能性もあるので、とにかく慣れるために回数を重ねるのがおすすめです。
友釣りは初心者にも親しみやすく、初めてのアユ釣りにおすすめの釣り方です。
アユドブ釣り(引っ掛け釣り)
ドブとは小さな淵や窪みのことを指します。毛ばりを使って釣る釣り方で古来より長く毛ばり釣りのことをこう呼んで親しんできた歴史があります。
瀬とは異なり水深が深くなっていて流れの緩くなっているいわゆるトロ場での釣り方が基本で、ドブ釣りはより狭い範囲での釣りを重視する釣り方です。
ドブ釣りは、経験豊かな鮎師の方々の中では友釣りよりも人気がありますが、
巧みなテクニックが求められるため、アユをより極めたい方におすすめの釣り方と言えるでしょう。
ルアー釣り
鮎竿を使った伝統的なアユ釣りほどの趣はありませんが、
最近では友釣りに使うオトリ鮎をルアー(疑似餌)を使った釣りも確立されてきました。
ルアー釣りを認めていない河川もあるなど、古くから日本に伝わる基本的なアユ釣りと比べるとまだ生まれてから日が浅いものの
道具が高価であったり敷居が高いイメージのある本来の釣り方よりも気軽にはじめられるため
近年若年層を中心に人気を集めており、その手軽さからも初心者向きといえます。
あまり一般てきではない釣り方もほかにあります。
ご興味ある人はぜひこちらの記事も併せてご覧ください↓
アユ釣り初心者の必要最低限の道具5つ
鮎竿
アユ釣りをする上で最低限必要で必須なのが鮎竿です。
鮎竿はアユ釣りにおける主役の道具で、価格は数万円から数十万円と幅が広いことが特徴です。
主流はのべ竿と呼ばれるタイプで、長さは9mくらいのものが一般的で、長い竿は大きな河川に向いており、木々が覆う場所では短い方が向いています。
材質は軽量で扱いやすいカーボンが主流で、材質の違いが価格に反映されている傾向があります。
また近年は比較的手頃な価格帯の製品も登場していて、初心者には十分実用的なものもありますし、
初心者の方には伝統のある高価な鮎竿よりもルアーでのアユイングロッドでもおすすめです。
高級品は数十万円はします。
壊してしまうと懐に響くので、手頃な製品から始めるのが良いでしょう。
まずは安価な価格の製品で扱い方や注意点に慣れて、それからステップアップしていくのがおすすめです。
ダイワ 鮎竿 銀影エア A テクニカル90・Q
ルアーを用いたアユのルアー釣りをメインにお考えの方は
アユが釣れるロッドのおすすめを別ページで詳しくご紹介させていただいております。
ご興味ある方は参考になさってください↓
仕掛け
釣りには仕掛けが必要でそれはアユ釣りも同様です。ただパーツの数が多く構造がやや複雑なのが特徴です。
すべてを自作するのが難しいので、初心者は市販の完全仕掛けがおすすめです。
購入してすぐに使えますし、初心者でも問題なく扱うことができます。
鮎竿に繋げて針をつけるだけですから、一度やり方を覚えてしまえば大丈夫です。
市販の製品にはメタルやフロロカーボン、ナイロンなどのラインの種類があります。
メタルは瀬釣り、トロ場などの流れが比較的緩やかな場所では、フロロカーボンやナイロンが向いています。
市販の製品はプロも使っているほど品質が高く、また自作をする際の参考になります。
完成品なら準備の手間がなく、使い勝手が良いです。
がまかつ AP231 楽勝鮎フロロカーボンパーフェクト仕掛
鮎タモ
アユ釣りにおいて鮎タモは、オトリの交換や野鮎を取り込むのに使う道具です。
大きさは直径が39cmと36cmがありますが、大きい方が扱いやすく39cmが主流です。
価格帯は手頃なものから価格の高いものまで幅広く、比較的価格の高い製品は品質が優れます。
例えば網目がより細かくて、針の引っ掛かりや鮎肌を傷つける心配がないなどです。
鮎タモもアユ釣りに必須ですから、最低でも1つは持っておく必要があります。
鮎竿などと比べてそれほど高い道具ではありませんが、予算に合わせて購入することをおすすめします。
安価な製品でも実用性に問題はないですし、将来的に高級品に買い替えたとしても、万一に備える予備にすることができます。
昌栄 鮎玉 オリーブ 39cm
引き舟
引き舟は釣った鮎を入れておくのに使う道具で、オトリを活かしておくためにも、オトリ缶を別に用意しないでもこちらで応用できます。
舟のような形をしており、排水量を調整する機能などがついていることからこの名で呼ばれています。
大きさは色々ありますが、6~7Lくらいのものが主流で製品が充実しています。
大きなものは8L、小さいものは4Lくらいで、小さいほど軽くて扱いやすいです。
価格的にも小さい製品ほど手頃なので、アユ釣り初心者は手頃な価格の引き舟から始めても良いでしょう。
同じ大きさでも製品によって価格が異なりますが、価格が高いものは作りが良くて、使い勝手が優れています。
しかし、安価でも問題はありませんから、初心者は手の届きやすい価格帯のグレードでも十分です。
道具さえとりあえず手元にあれば、アユ釣りをすること自体に困ることはないです。
シマノ 引舟 アドバンスパワー2 2018 HI-052N ホワイト 7L
鮎たび
鮎タビはアユ釣りの際に履くもので、安全に集中して釣りを楽しむために必須です。
底にフェルトが貼られているのが特徴です。
石の上は滑りやすく、一般的な履物では滑って転ぶ恐れがあるので、アユ釣りでは必ず鮎タビを履きます。
アウトドア用のシューズでも代用できなくはありませんが、安全性を考えれば用途に合ったものを選んで使うのが賢明です。
用途は専用で他の目的には使えませんが、価格的にはそこまで高価というわけではないです。
手頃で手が届きやすい価格帯の製品もあるので、道具を揃える初心者の負担にはならないでしょう。
価格帯の違いは品質や耐久性の違いで、長く使うつもりなら安価な製品は避けて、中価格帯以上のものを選ぶのがおすすめです。
オーナー 鮎トップタビ3 (フェルトピン) 中丸タイプ
アユ釣り道具以外に用意しておくべき予算
アユ釣りをするためには道具もお金が掛かりますが、道具以外にも必要な経費として頭の中で計算しておくべき費用がかかります。
まずひとつ目は渓流釣りではあたりまえとなっている「遊漁料」ですね。
年間遊漁券ですとワンシーズン通して使える券でおおよそ5000円くらいから。
また1日からの日券ですと、1000円前後からとなります。
またこれからは事前に購入しておくことが望ましく、遊漁券を持たずして釣りをしている最中に監視員に見つかって促されて購入する場合、ペナルティとして1.5倍から2倍高くなります。
このようなことにならないよう事前購入しておきましょう。
事前にアプリからチケットを購入できる場所(漁業権を持つ管轄による)もあります。
いろんな場所に出向いて釣りを計画される場合非常に便利です
下記のページで詳しく解説しています。ぜひ有効活用なさってください。↓
また、このほかにも友釣りの場合はオトリ鮎を買う必要があります。
1尾が約250円~500円と、河川を管理している漁協によってかなり開きがあります。
これらの経費は釣行の頻度や場所によって異なるため、計画的に予算を立てることが大切です。
●オトリ鮎代が約250円~500円/1尾
まとめ
アユ釣り初心者の方のために時期や代表的な釣り方を知って頂き、はじめる際に必要最低限の道具とはじめるために支払わなければ行けない道具以外の予算について解説してきました。
最後に、釣りを楽しむ際には、自然環境を守ることも忘れずに!
釣り場のルールやマナーを守り、ゴミは持ち帰るなど、環境に配慮した行動を心がけましょう。
これらの基本的な準備と知識を身につけたら、あとは実際に川へ出かけ、美しい自然の中でアユ釣りを存分に楽しんでください。初心者の方も、徐々に経験を積み重ねることで、この釣り特有の醍醐味を十分に味わうことができるでしょう。