アユの釣り方!5種類のそれぞれの特徴と適した道具をサクッと解説

アユの釣り方を解説します。

アユ釣りにはみなさんがよくご存じの友釣りをはじめ毛ばりやエサ釣りコロガシ釣りなどがあり、最近ではアユも疑似餌のルアーを使用した釣りが流行の兆しを見せており若年層にも広がってきています。

このように今時期を迎え注目を集めるアユの釣り方について種類ごとにご説明します。




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アユ釣りの発祥と歴史

アユ釣りは古来から日本で親しまれた釣りでいつごろからあったものかは定かにされていませんが、

昔は万葉集にもアユを題材にした詩が詠まれているなど、

1年の短い一生を終えることで「年魚」(現在は香魚と記す)として古い書物の中に記されており、

今から1800年以上も前の4世紀後半頃の第14代天皇の皇后さま、神功皇后がアユ釣りを楽しんでいたという記録も残されています。

またアユの釣り方でもっとも認知度が高い友釣りは、江戸時代に“伊豆の国市”と呼ばれた現在の静岡県の大仁(おおひと)が発祥の地とされていて、

そこを流れる狩野川中流域では、現在でも時期になると多くの釣り人で賑わいをみせているほど、

アユ釣りは歴史が古く、今なお日本には強く根付いている釣りです。

アユとはどんな魚

釣り方を説明する前に、さらっとアユの特性について触れておきます。

アユは秋に産卵した卵が孵化したばかりの幼魚は川を下って海へ出て、プランクトンや小さなエビを食べて育ち体長が10センチほどの稚鮎になるとまた生まれた元の川を遡って戻ってきます。

そこで岩に着いたコケを主食にして成魚になります。このときにたくさんコケが生えている岩のある場所を確保するために

成魚になったアユは縄張りを張る習性があります。

アユの釣り方5種とそれぞれの特徴

アユ釣り方
画像:photoAC

これらの習性や特有の生態を上手く活用した釣り方が今日まで発展を遂げ進化した釣り方が現在でも受け継がれているわけです。

それではここから、さっそく釣り方の解説に入りましょう。

 

友釣り

一般的に単純にアユ釣りと呼ばれる釣り方は友釣りを指し、現在、もっとも日本で広まっている釣り方です。

先のアユの習性についての箇所で述べたように釣りが解禁となる時期に成魚になるアユは主食である岩に自生しているコケがたくさん生えている岩のある場所を独占しようとして縄張りを張ります。

自分の陣地をほかのものに横取りされまいと、自分の決めた縄張りに入ってこようとしたアユを攻撃する習性を狙い

活きたアユ(通称オトリアユ)をつけて縄張りに投下し、それを追い払おうとしたアユを引っ掛けて釣るいわゆる泳がせ釣りの一種になる釣り方です。

この友釣りの複雑な仕掛けも今ではさっと結んでオトリアユさえ用意ができていればすぐに釣りがはじめられる便利な仕掛けもあります。

OWNER(オーナー) SR-46 天糸移動完全仕掛 フロロ水中糸仕様 0.2号

 

毛ばり釣り

友釣りと比べると仕掛けが複雑で玄人好みの釣り方となる毛ばり釣り。

フライフィッシングのようなものだけど、アユのそれは独特で先端にオモリをつけて、その上に2つ、3つの毛ばりをつける胴付き仕掛けのような形をしています。

毛ばり釣りがされるポイントにも特徴があり、瀬よりもその部分から外側に広がった水深のある深い場所で、

トロ場と呼ばれる比較的流れの緩い場所で行われます。

水深がない場所では流れのある瀬を狙わずに、流速の遅い流れ淵とよばれる個所や、反転流のなかに毛ばりを通します。

先っぽについたオモリを完全に川底に着けて、オモリを動かしてやるのが釣り方です。

トントンと底を動かすというよりはルアー釣りのリフトアンドフォールに近く一番上の毛ばりが見える位置まで上げてきて

流れに乗せてゆっくりと元の位置に仕掛けを戻す。

昔深い淵のことを「ドブ」と言っていたため、古い毛ばり釣りをしてきたアングラーの中には毛ばり釣りをドブ釣りと呼ぶ人もみられました。

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エサ釣り

アユにもエサ釣りはもちろん存在しますが、先に釣り方をご説明する前にアユの習性の箇所でお伝えしたとおり

“アユの主食は岩に生えたコケ”

同じ渓流の釣りでもほかの魚のように虫エサを使うことはなく、練りエサを使用します。

浮きの下に練りエサのだんごを丸めておくらせんの下に数本の針を付けた仕掛けで釣ります。

通常練りエサで釣るフナやコイの仕掛けによく似ています。

また練りエサをカゴに入れた釣り方も可能です。

これも最近までは確立されていなった比較的新しい釣り方でこのあと解説するルアー釣りと並んでほかのどの釣りよりも

あまりタックルを限定することなく、はじめやすくなっている釣り方で気軽さがあります。

ですが、エサ釣りやルアー釣りが認められていない河川もあります。遊漁券を購入前に管轄の漁協組合に確認しましょう。

マルキュー 鮎乱舞

 

ルアー釣り

上で紹介したエサ釣りと同じく、誰でも気軽にはじめられる取っ掛かり易さが魅力で、

アユのルアー釣りはそのほかの渓流釣りよりも真新しさのある釣り方です。

友釣りを原型にした釣り方で、活きたアユを使うオトリアユの部分をルアーに変えたものです。

流速のある瀬のなかで本物の生きたアユのようにアクションさせることができるように各メーカーが凌ぎを削っています。

ハリなどの仕掛けなどの仕組み自体は友釣りとまったく同じですが、ルアーに簡単に装着できるようにもっと扱いやすくなっています。

どこか伝統を重んじ敷居が高いし、タックルは高価だし始めにくいイメージがついて回っていたものが

このルアー釣りが広く知れ渡ってくるようになり、アユ釣りのイメージは昔と比べるとうんと身近になってきた印象を受けます。

友釣りが一般的になっている河川はオトリ屋と呼ばれるオトリアユを販売するところの収益で漁協の運営費を賄っている地域もあり、

ルアーの使用が認められていない河川もあります。

かならず事前に確認してから、遊漁券を購入してアユのルアー釣りをはじめてください。

ダイワ 速攻 友ルアー SP

 

コロガシ釣り

コロガシ釣りとは、エサやオトリをまったく使わずにハリとオモリの仕掛けだけでアユを釣る方法。

いわゆる引っ掛け釣りです。

友釣りに使われるオトリアユのほとんどは養殖されたアユでして、養殖技術が発展する以前は、

アユ釣り師自らがまずオトリアユになるアユを釣ることがアユ釣りの準備段階としてたころに、友釣りをする前にオトリにするアユを釣るための釣り方でした。

オトリアユを販売するようになってからはすたれてきた釣り方ではありますが、
群れにあたれば数釣りもできるため漁師の釣り方とも呼ばれており、

往年のアユ釣り師の方々の中にはいまだにこのコロガシ釣りからはじめるこだわり派の方もいらっっしゃるそうです。

先日ここでご紹介した和歌山県の古座川のトントン釣りもこの類です。

現代のアユ釣りは温故知新

日本古来から伝わってきたアユの釣り方もここまでいろいろと進化を遂げてきたことが5つの釣り方をひとつひとつ学んでいくとよく伝わってきます。

古くから伝わる伝統的な釣り方には感心させるものがあります。

また形を変えて、アユに合うように編み出された人口エサを使用したエサ釣りや、オトリをルアーに変えたアユのルアー釣りなど

現代にマッチさせるように釣り方も進化した部分も見て取れます。

”温故知新”ということわざがありますが、これは

「古きを重んじ新しきを知る」という意味です。

まさにこの言葉が現代のアユの釣り方を説明するのにぴったり当てはまるのではないでしょうか。

伝統的な釣法は残しながらも、一部をより簡単により手軽に釣れるように発展を遂げ、

少々堅苦しいイメージのあったアユ釣りもこれからは、もっと身近なものになっていくはずです。

興味はあったけど、これまで敷居が高そうではじめられなかった人は、シーズン中にはじめてみてはいかがでしょうか。