ラインにはカタログスペックに記載されている太さの目安となる号数と同時にポンド(lb)で強度が記載されていますが、
あの強度とはラインを引っ張った時の直線的な強度のことなのか、横からの摩擦に強い強度なのかがはっきりとわかっていないまま議論が交わされていることがあります。
正しい認識を持ってもらうためにラインの強度について解説します。
小学生の頃に釣りをしはじめルアーフィッシングに目覚める。釣り歴18年でIl Pescariaの番頭です。バス釣りからチニング、エギング、アジング、オフショアのライトジギング、チーバス(小さいシーバス…汗)で週3~4日はどこかにいますw 生涯で釣りに使ったお金はおおよそ軽自動車なら楽々新車で買えるほど投資しました。その経験と良いと思ったことはすぐに誰かに話したくなる性格(おせっかいでおしゃべり!?)を強みに日々魚と奮闘中!
ラインの強度の表記
一般的にメーカーのホームページに記載のある強度はPE、ナイロン、フロロに関わらず
lb(ポンド)で表されていますが、それらは引っ張り強度=直線強度のことを表しています。
先の知人の話ではないですが、この強度が高いからと言って、横擦れにも強い強度を持っているのかといえばまったくもって見当違いとなってしまいます。
横からの摩擦は耐摩耗性といって直線強度とは異なります。
●直線強度と根ズレ耐性(耐摩耗性)はまったく異なる!
直線強度と耐摩耗性の違い
直線強度とは文字通り引っ張り強度のことです。耐摩耗性とは横からの衝撃、摩擦への抵抗力、破断を最小限に抑えるために必要な強度です。
二つの力はそもそも同じ性能ではなく、そもそもの特徴が違います。
例えば下記の表をご覧ください。
直線強度 | PE > ナイロン > フロロ ※ナイロンとフロロはあまり変わらない |
---|---|
耐摩耗性 | フロロ > ナイロン > PE |
伸び | ナイロン > フロロ > PE |
細さ | PE > ナイロン > フロロ |
吸水性 劣化しにくさ |
PE > フロロ > ナイロン |
この表パッとみて思うのは、
バス釣りのように水中のスタンプやレイダウンなど複雑なストラクチャーの中に潜む1匹を狙うのであれば
擦れ対策が必須なことからフロロが適していることがおわかりいただけると思います。
また直線強度がPEの次にナイロンが高いのは、伸びがいいからです。伸びることで衝撃を吸収するのその分強くなっているということと、
細さの箇所で、PEの次に細いものがナイロンになっている箇所。驚いた人もいらっしゃると思いますが、これは事実でフロロはナイロンと同じ強度(直線強度)を保とうとすると、ナイロンよりも太くしないと強度を保てないので太くなってしまいます。
総じてビッグベイトゲームにPEのほかにナイロンを使ったほうがいいというのもあながち間違っていないこともわかります。
ちなみに耐久性にも直結する吸水性や紫外線による影響をもっとも受けやすいのがナイロンとなります。
一般的にラインの強度を表すポンドは直線強度のことであり、横擦れによる耐摩耗強度のことではありません!!
このことを理解して使い分けて適切なラインを選ぶことが大切です。
PEの撚り数による強度の違い
本数が増えれば直線強度は増すが耐摩耗性は弱くなる
これも、強度を議論する中でよく出てくる事項で大切なことなのでお話します。
今は8本撚りが主流になっていて、4本撚りよりも8本のほうが値段も高いので”8本撚りが強力”と思われがちですが、これ自体も直線強力の強さのことであって間違っています!
同じ強度、同じ太さ(細さ)で、8本撚りと同じ号数の強度を保とうとすると必然的に1本1本の原糸を太くするしかなく、
束ねてある原糸が太くなっている4本撚りはそれだけ横からの擦れには強くなっているのです。
オカッパリからのランディング中に岸際の水中にある敷石にラインが擦られるなどのトラブルが勃発する場合や
岩礁帯に居着き、すぐに根に潜ろうとする根魚などターゲットによっては
PEの4本撚りのほうがはるかに耐摩耗性がアップするので向いています。
ですから一概に8本撚りが強いPEといのも間違いであって、釣る対象魚、釣りをするポイントの水深や地形、などさまざまな複合的な要素を交えてPEラインを選びをしましょう。
一般的強度の間違った見解
リスクは何をやっているのかわからないときに起こる!
この見出しをもう一度繰り返し読んでください。
以前シーバスのビッグベイトのPEラインについてバスマニアの人と話したことがあって、
私が「高切れが怖いけどPEラインの飛距離が欲しいので太いPEを使ってます」というと
そのバス釣りマニアは「そんなに切れることを心配してまでビッグベイト使うなら絶対フロロでしょ」…?
私は「は?」
自分の頭の中は????で充満してましたww
マジで吹き出しそうになる笑いをこらえてましたwww
ほぼトップや水面直下で勝負することの多いシーバスビッグベイトゲームでは、ストラクチャーにラインが触れることは少なく耐摩耗性よりも
重たいルアーを何度もフルキャストすることで起きる高切れするほうが怖いのです。
だから引っ張り強度=直線強度の高いPEでと言っているのですが、
摩擦への強さが強いフロロやナイロンをすすめる知人ww
一向に話がかみ合うはずがありませんでしたねwww
この知人はずっとその調子でノット組むのも面倒なのでざまざまなソルトの釣りをフロロでやろうとしてますwww
説明するのも面倒なんで言い返しはしなかったですが・・・。
もう一度冒頭に戻ります。見出しの言葉です。
これは世界的に有名な長者番付にも乗る投資家ウォーレン・バフェットの言葉です。
無知だと何やってるかわからないときに感じないままリスクにさらされることになります。
これが一番怖い。
ちゃんと違いを理解し正しい知識を持って使いさえすれば、リスクは回避することができます。
必ず釣果アップにも繋がります。