シーバスには様々なパターンが存在し、中には非常に攻略しにくいプロアングラーでも難しいといわれるパターンも存在します。そんな難しいパターンのひとつがハクパターンです!
夏場からの温暖な気候からはじまるイナッコパターンと混同されやすいが違うので注意が必要だ。あとで詳しく説明する。
春先のベイトパターンの特徴として、ベイト自体のサイズがとても小さく、それを選り好みして食うシーバスもそのことをよく知っているために非常にルアーのサイズに対してもセレクティブになることがハクパターンの難しいいといわれる所以。
ひとつひとつ順を追って解説していきます。
シーバス釣り歴15年以上になります。川すずきを主に追い求めて駆け回り収入の半分は釣り道具につぎ込むシーバスオタクです。メーカーからの供給を受けルアーのテスターもしています。はじめた頃と比べると随分とフィールドの状況も変わり釣り方も変化しており、これからもずっと学び続けなければいけないと痛感しています。これまでの長年蓄積してきたノウハウを基に現代にあった”今釣れる情報”をお届けしていきたいと思います。
そもそもハクって何?
出典:富戸の波 富戸の声
ハクとはボラの稚魚のことで、体長が3cm~5cmほどのごくごく小さなベイトのことをいう。
もう少し大きくなるとイナッコと呼ばれるボラの幼魚になる。
ボラはご存知出世魚でそれぞれ成長に合わせて呼び名が変わる。また地方によっても呼び名が変わるために混同されやすい。
10cm未満を総じてハクと呼ぶ地域もあります
けれど10cmを超えるとイナッコと覚えておいて間違いなさそうだ。
春のハクと夏のイナッコではサイズも釣り方も大きく異なることを覚えておきましょう。
ハクパターンとは
ボラは海の沖合で産卵されその場で育ち、秋、冬の間で孵化した稚魚であるハクは少しづつ成長しながら春先になると沿岸に近づいてくるボラの稚魚。その群れを狙うシーバス。
これをこの時期待ち構えているのがシーバス。そこで成立するのがハクパターンだ。
決して餌を捕食するのが上手ではないシーバスはその時々にいちばん食い易いベイトを選ぶことに長けている。
ハクパターン 時期
ハクパターンはほかの同じ季節のパターンと重なることも多い。
表層付近が波打ち、群れが確認できているような状況で、ボイルも起こっているのに
それは春先の、バチパターンであったり、時期が3月初旬~それよりも早い場合にはアミパターンのこともある。
シーズナルパターンでいう3月、4月、5月の春がハクパターンの時期になあたる。
ハクパターン 釣り方
ここからはハクを食っているシーバス攻略のためのポイント選定から、釣りやすい潮周りと釣り方を解説します。
ポイント
文字通りハクは稚魚なので、複数の群れをなして泳いでいる。その群れを見つけるところから始まる。
などどこでも、ハクの群れを目にすることができる。
が、ここで大事なのはシーバス着きの群れかそうでないかの見極めが必要
捕食しているシーバスが着いている群れは比較的大きくて、固まっているのが特徴。
逆にシーバスが追っていないハクの群れは散らばっていいることが多い。
潮周り
ただし上記の群れも、時合の潮の動くタイミングでシーバスが着いていない群れでも追いまわし捕食しはじめることがある。
小さな群れでも潮周りのタイミングさえあえば食うこともありえる。
ハクは体が小さく泳ぎもままならないため移動距離もさほどあるわけではなく、潮の流れに乗って流されるしかない。
ハクパターンは河川の中流域より下流~河口付近の下げ潮をいかに攻略するかがカギとなる。
流れが集中する、時合の時の流れのヨレに集まりやすい。
また河口でも下げ潮が進んで水深が浅くなったシャローエリアでは、おのずと小さなハクも必然的に流心へと身を隠す。
ハクの密集度が高くなったそのヨレや流心の近くでシーバスがスタンバっている。
アクションとリーリング
春のシーズナルパターンの特徴である、「サイズが小さい」、「泳ぐというより流されている」。これらを考慮するとおのずと見えてくる。
小型ミノーを使ってアクションすることはおろか、リーリングスピードはゆっくり流れに任せるのが基本。キモは、ルアーの動きを僅かに感じながら、ルアーが泳ぐか泳がないかギリギリの速度でリトリーブすること。
または小型のシンペンやバイブレーションを使ったリフト&フォールも効きます。
これから説明するルアーのマッチザベイトも大事です。
ハクパターンのおすすめルアー
ハク攻略のカギはやっぱりセレクトするルアーのサイズ感が大事。
いつもより大げさなくらいに小さくしてやっとマッチザベイトになるくらい、早春の頃のハクのサイズは思った以上に小さい。
出来ることなら5cm前後。~8cmくらいまでの大きさのルアーが適しています。
シーバスのベイトの中でも鮎やコノシロ、サヨリなどよりもハクやイナッコのボラ系は泳ぐ力が強い。ブリブリと泳ぐ。だからこそそれを狙うシーバスも波動の大きいルアーに反応しやすい。
しかし、アピールの強いルアーにありがちな場を荒らしてしまい、シーバスをスレさせるのが早くなることもあるので、まず最初の一投目にサーチベイトとして用いるのが好ましいです。
それで食ってこなければシンペンなどに交換したり、小型のバイブレーションにしてレンジを下げたりするといいです。
同じ場所で粘るなら1匹掛けたら交換するなど、ルアーローテーションが必須でしょう。
ハクパターンにおすすめのルアー
ティクト スピンボウイ 7g
ミニサイズスピンテールジグ
ハクのような超小型のベイトでも大群でいるとけっこうキラキラとフラッシングしながら泳いでいます。それを再現しながらゆっくりとただ巻きできるのがこのサイズのスピンテールジグ!!
そして軽すぎない、シーバスにはちょうど良い重さとサイズ感でスピンボウイは最高
スローに巻いてくるだけでいい。
アムズデザイン コモモⅡ 65
小型で強ウォンブンロール系ミノー
まさに、ハクパターンのために作られたようなルアーのひとつ。小型サイズでも、強いウォブリングの波動を起こすミノーだ。
同じような使い方が出来るルアーにラパラCD5があるがあれはなんせ飛ばないので、これは飛距離も小粒ながらそこそこ出せて使い勝手が良く水面直下を広く引いて探ってくるならこれが最適。
使い方は表層をゆっくりただ巻き!!
水面を群れでぴちゃぴちゃしている状況であるなら、そのベイトの群れの奥5メートル以上にキャストし、軽くトゥイチ入れながらゆっくり近づいていくと下からドンッと出てくる。
アピア アップライジング 59
超微波動小型バイブレーション
最近春のまだベイトのサイズが極端に小さくて、非常にルアーの大きさに神経質なシーバスの頃、表層には浮いてこない下のレンジに居るときに頼れる相棒がこちら
これを使ってリフト&フォールが効果的
そのような場合にはこれまで鉄板バイブの出番でしたが、鉄板だと波動が大きすぎて警戒心の強いデカいシーバスほど食ってこない、そんなときに微波動系の小型バイブレーションが適しています。
マングローブスタジオ マリブ68
数多くのシーバスアングラーが釣果をたたき出しているマリブ78の弟分。
ハク攻略でも実績が多数あります。これの開発にたずさわった大野ゆうきさんも動画で使用しています。
シンペンの中では小型ですが、重さも9.2gもあり飛距離も伸ばせるし、スローリトリーブでミノーのような泳ぎをします。しかもこのルアーの最大の特徴は常に水平姿勢であること。これは他のシンペンでは出せない技でしてこれがシーバスを狂わせる要因ではないかと思っています。