気軽に簡単なルアー仕掛けで強いファイトが楽しめるライトジギングのだいご味はもう一つ、近くの堤防などショアからでも釣れるということだが、潮周りの良くない日にターゲットの回遊魚を釣る方法とは。ライトジギングが成立する潮周りと小潮や若潮など釣りにくいときの潮とポイントの絞り方を解説します。
気軽に大物が楽しめるライトジギングだけを8年続けているという偏った釣りをしています。青物の強い引きに魅せられてどこへでも出かけていきます。日々進化する昨今人気ののショアライトジギングからショア、オフショア問わずジギングもこれまでの経験から実釣で生かせる釣り方やタックルのことを紹介していきます。
そもそも潮汐とは?
簡単に中型青物を釣るライトジギングで釣果を左右する潮の満ち引き。それを説明するときに必ず出てくる「潮汐」とは、海の水面が上下することをさします。海と直接つながっている汽水域、河川でも同じ現象が確認できます。
潮とは=海の水のことを意味します。
毎日、どの潮であっても一定の周期で満潮と干潮を1日に2回ずつ繰り返します。
潮汐は太陽の相対位置,地球の自転によって変化するために別名では「天文潮」と表現されることもあります。このように月や太陽の影響も受けるために日本では、特に春分(3月 20日か 21日)と、秋分(9月 23日か 24日)の日が潮の満干の高低差が年間で最大になります。
国内で最も潮の差が激しい場所として過去に5.7メートルを記録した有明海が有名です。世界一潮汐の差が大きいカナダのファンディ湾ではなんとその差は15.2mにも及びます。この潮の差が大きいほど海水がよく動き魚が回ってきやすく一般的に釣れやすいといわれています。
潮の満ち引きと釣れる魚の関係
ライトジギングのターゲットの多くは回遊魚で潮の満ち引きによる、水の流れに左右されるところが大きい。毎度のように、潮周りを潮汐表で確認する人と、予め天気くらいは確認するものの潮の差なんてともかく、時合なんて全く気にしないでも釣れる人もいる。その違いを知るためにまずは潮の種類を理解しましょう。
下記から潮の潮位差が大きい順に潮汐の種類を見ていきます。
大潮
満干の差がもっとも大きなる潮汐のことを大潮といいます。夜に行くと空を見上げると満月や新月の日の1、2日後に起こります。この大潮の日は月に2回あります。
潮の流れが速く、よく水が動く時なのでライトジギングで狙う青物等の回遊魚も回ってきやすくなり、エサの小魚や、さらに小魚が主食にするプランクトンなども豊富に流れ込むため釣りやすい「潮周り」や「潮汐」といいます。
ただし潮の流れが速い分、流れに乗って魚がやってくる時合が一瞬で終わる場所もあり、ポイントの移動と見極めが大切になってくる潮でもあります。
中潮
中潮は大潮のあとと、大潮の前に発生する潮汐です。一般的にはこの「大潮の後の中潮」がライトジギングやその他の釣り種でも一番釣れる潮周りとされています。
どの潮汐であっても潮が最も動くタイミングで上げ7分、下げ3分が釣りには良いとされているように、最も満干の差が大きく潮がよく動く大潮にあたる日が頂点だとすると、そこからやや弱くなった中潮の日が釣れると考えられています。
また、大潮よりも水の流れが緩くルアー釣り初級者でも釣りやすいとされ、時合の間が中潮のほうが長くとれるということも釣れるという理由に挙げられます。
小潮
小潮は徐々に潮周りが緩く満干の差が縮んでいきはじめる潮汐をさします。若干潮の流れが穏やかに感じるものの小潮に入った初日などでは中潮と変わらないくらいの潮流を感じるときもあり、爆釣とまではいかなくてもまだまだ充分な釣果が期待できる潮周りであります。
小潮が三日間続いて、もっとも潮の流れが緩くなる長潮にはいります。
長潮
潮の満ち引きによる差がもっとも小さくなる潮が長潮です。流速も穏やかでライトジギングの1日の潮の流れを折れ線グラフにすると、とてもなだらかな曲線を描くようになります。
潮周りが緩やかな日は、ルアーの重さや、ラインなどの選択がものをいうことも多いです。いつもの潮汐とは違うことを理解して状況にあった釣り方をするように心がけましょう。潮の種類に応じたルアー選択などくわしくは後半で解説します。
一方で、タイラバやタイジギでは最適な潮と言われている釣り種も存在します。理由は下記のページでお話しています。ご興味のある方はご参考にされるとライトジギングで真鯛対策にも有益な情報が見つかります。
若潮
緩やかに潮の差が小さくなっていき長潮で下弦のピークを迎えたあと、徐々に再度、潮の上弦に向かって回復していく潮周りを「若潮」と呼びます。
長潮を境目にして、徐々に流れのはやい元気な潮に戻ることを意味し、「若返る潮」という意味で若潮と呼ぶとされています。
潮の周期
潮回りの周期は15日周期で、大潮が4日間続くとそのあと中潮が4日、小潮が3日、それに続いて長潮と若潮の順に1日ずつあったのち中潮が2日続いたのちに大潮に戻るサイクルになっています。
ジギングは潮が大きい時のほうがいいはウソ!?
ライトジギングは目的の魚が中型から大型の回遊魚のために、群れで潮に乗って周ってきやすい大潮がいちばん釣れると聞くことがありますが、これも一概に言い切ることができないポイントも存在します。
結局はポイントによる
また大潮が釣れる日だったとしても、時合の時間が短くそのほんの一瞬にルアーを落としていないと「釣れない」と感じることもあり、そんな場合は即移動。潮が次に流れ込む場所へ移動することがベター。
場所によっては大潮の時だけしか回遊してこないポイント、してこないポイントなども存在します。
まずは自分のフィールドで潮の種類に拘らずに、全天候、全潮汐でまず釣りしてみてそのポイントのデータを蓄積していくことがベストな選択です。
習うより慣れろ!、足で探せ!はルアー釣りの鉄則です。
潮周りが悪くても釣れるポイントの目安
潮の動きが鈍い日でも、魚が移動しにくくなっているだけでどこかに必ず隠れて身を潜めています。その場所を狙いに行くと釣れる確立がグンとアップします。
対象魚である青物のベイト、さらにその小魚たちが餌にするプランクトンが溜まる場所を見つけます。
例えばベイトが溜まりやすくなる場所とは、外洋の潮流から外れる食い込んだ陸地続きの入り江(ワンド)。ベイトが溜まっている場所ではそれらを狙って大型の魚は追ってきておりそのポイントでは潮汐に関わらず、積極的に捕食行動をしています。
潮が動いてなければ回遊しないと仮定するならば、その逆を考えればいいだけです。
小潮や長潮のときのルアー選択
小潮や長潮など潮の差が小さく流速が緩い場合には、ミノーなど、水押しの強いウォブリング系の派手目なアクションをするルアーでなければルアー自体が動かないので遠くのターゲットに気づかせることができません。
ですから小潮や長潮などときにはルアーはアクションが派手なルアーから先に使用すると活性が高い魚がいれば食ってくるので最初にパイロットルアーとしてその日の状況を探るのに有効になります。
ただし、これでも食ってこない状況ならば、即座にアピールの弱いルアーに交換することが肝心。層のような場合、活性が低くなっている場合が多く、そうしなければスレを悪化させてしまうからです。
素早く沈んだり、立ち上がりの早い、通常の選択するルアーよりナチュラルアピールのものに変えて様子を見ます。
水の流れを噛んだときにだけ本来のアクションをするルアー、例えばアピールの弱いシンペンに交換します。
重さが肝心
ルアーの重さも、普段の潮周りの時よりもワンランク下げることをおすすめします。
いつもよりルアーを軽くすることで、なだらかな流速でもルアーにアクションをさせるためです。また、緩やかな流れの中でもゆっくりとアクションしながらアピールする時間を長くとることも、活性の低い場所で遠くの魚にまで気づかさせるコツです。
潮周りが悪い時でもあるメリットとは
上でご説明したように、潮の動きが悪い小潮であれ長潮であれ、ベイトフィッシュの確認できるポイントに行き、その時々の状況にあったルアー選択をすれば釣れないことはありません。
たとえ誰かが言ったことが本当の話でも、自分の地域に当てはめてみたらまったく釣れなかったという場合もよく耳にします。
机上で知識だけつけて頭デッカちになるよりも、まずはポイントに行って、釣りし始める。見切りはなるべく早く。釣れないなら即移動。
行動力だけが釣果を伸ばすきっかけになるでしょう。