春を告げる魚を三浦半島メバリング!風を読む知恵比べ

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出典:朝日新聞デジタル&トラベル

メバルは「春告魚」と書いて「はるつげうお」ともいわれ、寒さが残る時期から早々に釣れはじめる釣りのターゲットで、近場の漁港や堤防で釣れる手軽な人気がある。

近くに落としては、軽くちょんちょんとトゥイッチを入れてやり、ス~ッと落とす。ルアーフィッシングの中でも実に地味な釣りだが、大きいメバルは尺メバルと言われ30cmほどにもなりその引きはけっこなものでハマる人も多い。

メバリングは仕掛けが軽いので風の影響を受けやすい。風を背中に感じられる俗にいう「風裏」で釣ることが定石とされているが、この日の釣り人は状況を読んだ。

よく観察してみると、確かに風は吹いていて表層は波打っているが”海中の藻やゴミはゆったりと漂っている
”ことに気づいた。表層以外はたいして荒れていない可能性を感じ取ったのである。

この釣り人はこの日の勝ち目は「岸壁」にあると直感で感じた。

風で吹き寄せられたプランクトンや小魚が岸壁にぶつかって沈み、海中をゆるやかに漂う。それをメバルたちが狙っているはずだ……きっと。たぶん。

もちろん、この風では前に投げても釣りにならないはずので、真下へ落とす。

これこそが釣りの醍醐味、風を読み、水の流れを読んでからルアーをセレクト。魚釣りは釣れた時だけが楽しいのではない!ゲーム性の強いルアーフィッシングは特にこの過程を考え抜いて釣れた1匹はただ投げて釣れたものよりも喜びが倍増するのだ。