ヒラヒラと銀色の光を帯びて美しい姿で泳ぐタチウオを展示しようと東京池袋サンシャイン水族館の飼育員らが釣りでタチウオを自ら仕入れることに奮闘しました。
なぜここにきてタチオウを釣りをしてまで披露しようと思ったのかなど、
タチウオと水族館のこれまで経緯とこれからをお聞きしました。
長い経歴(釣り歴平均12年以上)を持つ釣り好きが集まった共同運営チームです。釣り種によってはメーカーのテスターも有しています。メーカーやプレスリリースでは伝えることのない一般ユーザー目線で忖度なしにお伝えすることを目的としており、タックルやアパレルなど率直なインプレや実釣経験を基にした記事をお届けします。
なぜ難しいタチウオ
タチウオと言えば、鋭い歯を持ち獰猛なフィッシュイーターだけど、
タチウオにはウロコがなく、釣ってすぐにでも通称「鏡」と呼ばれる薄い表皮が剥がれ落ちてしまい、
見た目を損なう他、鮮度が落ちるのもはやく衰弱しやすい。
この鮮やかな銀色の膜は、「グアニン箔」と言いかつてはマニキュアや人口真珠の材料にもなっていたほど、美しいもの。
それを身にまとっているのですからタチウオはキレイなわけです。
目玉展示品に代わる魚としてタチウオ
ここまで聞くと、水族館での展示するには、現地の水槽まで持ってい行くまででも大変そうだけど、
これまでサンシャイン水族館の目玉と言えばマンボウでしたが、大きくなり過ぎたため、別の水族館に引っ越すことになり、
そこで次の代替品として指名されたのが「タチウオ」だっそうです。
難しいと知りながらも挑んだ釣り
釣りなんてしたこともない飼育員もいて、釣りのために沖に出てくれた船の船長からは「釣るほうに気持ちが入ってない!」と喝を入れられる一幕もあった。
それでも…網で大量に捕ったものでは表皮が剥がれて、すぐに弱ってしまうなど展示には向かないため、釣りをしてそのまま生け簀に入れ生かしてキレイに生きたまま持ち帰ることを選んだ。
フックをバーブレスにし、一瞬タチウオの動きが止まった瞬間にハリを抜き、水槽に素早く入れる。
この日水族館まで持ち帰ることができたタチウオは23匹。
以前に迎え入れられた20匹ほどの古参とともに悠々と泳ぐ姿を確認。
タチウオはその名の通り、立って泳ぐことから水槽から飛び出しやすく運送中もひやヒヤな飼育員さんたち。
飼育員のみなさんの奮闘のかいあって、無事に展示された。
それを見た一般客からは、「ほんとうに立って泳いでる!」
「キラキラしてる☆彡」など
タチオウという食卓に並ぶことも多く、釣り人にも愛されるターゲットではあるがあまりその生態は知られておらず、
ましては水中の泳ぐ姿など見たこともない、これは一度筆者も行って見てみたいと思う一つの水族館がまた増えました。