シーバスや青物攻略でよく聞くマイクロベイトパターンについて掘り下げてみたいと思います。
初心者には難しいといわれる釣り方だけになんとなく頭の中で分かっているだけでは釣れない状況が生まれやすいマイクロベイトパターンの中で攻略の勝ち組常勝アングラーになれる経験則まとめてみました。
シーバス釣り歴15年以上になります。川すずきを主に追い求めて駆け回り収入の半分は釣り道具につぎ込むシーバスオタクです。メーカーからの供給を受けルアーのテスターもしています。はじめた頃と比べると随分とフィールドの状況も変わり釣り方も変化しており、これからもずっと学び続けなければいけないと痛感しています。これまでの長年蓄積してきたノウハウを基に現代にあった”今釣れる情報”をお届けしていきたいと思います。
マイクロベイトパターンとは
シーバスが捕食する餌の大きさが小さく、小さい餌が群れて大群になって捕食しやすくなる時でそれをシーバスが狙います。その時期に限ってシーバスも非常に餌のサイズにセレクティブになるころです。
要するにそれらを選り好みして捕食するベイトを見極めているので、パターンを意識した釣り方をしないとベテランでも釣り難いといわれているのがマイクロベイトパターンの特徴です。
マイクロベイトの種類
写真は市販の食用アミ。これを餌に釣るほうが確立は上がりそうだが…。
マイクロベイトはその地域のその時期にいるものだけをそう呼ぶこともあり、単に小魚やアミを指す場合もありますが、小さいものはほんの1~2センチほどのアミエビから、春先だとバチや、港湾部や河口に集まる稚鮎に河川のイナッコ(ハク)などが代表的なマイクロベイトです。
バチ
稚鮎
ハク(イナッコ)
マイクロベイトの時期
マイクロベイトの時期は冬の終わりから春がメインになります。地域によっては秋口にも同じような現象がみられることもあるようですが、基本なごり雪の感じられる冬の終わり頃(地域によっては初春)~初夏にかけてと覚えておくとほぼ間違いないでしょう。
時期によって同じマイクロベイトでもメインベイトが異なります。時期ごとのベイトの種類は下でお話します。
マイクロベイトの釣れるポイント
マイクロベイトパターンはそれぞれ個体が小さくあまり遊泳力がありません。
だから流れの緩い場所に群れで居着く習性があります。それを追ってシーバスがやってきます。
河川なら河口のシャロー
河川のハク、イナッコなどの小魚メインのマイクロバイトパターンの場合、ポイントは河口がベスト。
離れても河口から橋1~2本目まで。
徐々に海から河川に入ってきますがまだまだこの時期は本流まではいきません。流れの緩い河口域に溜まっています。
そのうえで岸に近いシャローはベストポイントです。
夜の湾奥なら岸壁際と水門
夜の港湾部なら常夜灯の照る岸壁際、ワンドや水が流れ出ていない水門付近が好ポイントとなります。
マイクロベイトのルアー
この時期のシーバスは捕食しようとするベイトのサイズやカラーに非常に敏感です。単にルアーのサイズを落とすだけでも釣れないこともあるくらいなので、ルアーの選択は非常に重要なファクターになります。
ルアーのサイズ
この時期の小魚ベイトは本当にびっくりするくらい小さくて、これらの大群を狙っているシーバスも非常に神経質にエサを選り好みしているのでルアーのサイズのベストなセレクトは必要不可欠です。
マイクロベイトパターンのルアーのサイズは5センチ以下~7センチがベター。
例外としてアミパターンなどの場合は、アミの大群を装ってオールクリア系で9センチ前後のルアーを持ち込むことで攻略しますが、
小魚ベイトでは5センチ前後から外れないほうが無難です。
シルエットはスレンダー!?
ルアーのシルエットはできるだけ細いほうがバイトが増えます。バチやアミの時はもちろん、小魚メインの時でもファットタイプのプラグでアタリが出なければ細身に変えてみるとバイトが増えることもあります。
これも活性の低い真冬の極寒期に似ている傾向でしょう。
マイクロベイトパターンにはシンペン!?
マイクロベイトパターンにはシンペンがいいといわれますが、その理由はローアピールでアクションが派手すぎないことがひとつ。
あとはある程度比重があるので飛距離も稼げるし、ロッドを倒せばボトムレンジまで沈みので、全レンジをくまなくさぐるためのサーチベイトとして使えるなど汎用性が高いのでこういわれています。
ここだけ聞くとあたかも初心者の人にもシンペンがいいように聞こえますが、決してシンペンだけがマイクロベイトパターンで簡単に釣れるということはないのです。
実際、橋脚などストラクチャーの周りに小魚がピチャピチャ、キラキラと泳ぎ跳ねている周りでシーバスのボイルが起こっているような状況では小型のスピンテールジグのただ巻きや、サスペンドミノーの方が食ってきやすくなります。
マイクロベイトパターンの釣り方
ルアーセレクトが終わったら、いよいよ釣行です!
神経質になっているシーバスに合わせるような繊細な釣り方が要求されます。
ルアーの動かし方、アクション
基本的にミディアムスローからデッドスローです。アングラーが意のままに動かすというよりは
流れに乗せるように泳がすことをイメージしておいたほうがいいです。
デイゲームならば潮目を長くトレースできるように、アップとダウンを両方ともクロスに投げ入れて潮目に対して、横切るのではなく斜めに引いてきます。
ウェーディングの場合はそのまま流れに対して縦に引いてくることを意識できるといいでしょう。
同じ速度でのただ巻きでは見切られる可能性が高いので、リトリーブの途中に不規則に軽くトゥイッチや左右への緩めのジャークを加えながら、見切られにくくすることがいいでしょう。あくまでもローアピールが基本。大きく動かす必要はありません。
上記でも解説したようにベイトが確認できて、シーバスのボイルが起こっている状況ではただ巻きで容易に釣れる状況もあります。
レンジ
バチ、小魚の稚鮎やハクは水面直下20cm以内。アミは中層を泳いでいることが多いです。
シーバスがいるレンジはそれとおなじ場所かその下にいます。
しかし水温が上がりきっていない、2月~3月ごろの初春ではベイトがいるレンジの下、もしくはボトムに隠れていることもあります。
まずはベイトのいるレンジを探ってから、アタリがなければ徐々にレンジを刻みながら下へ落としていきます。
トレースコース
マイクロベイトパターンはヒットポイントが非常に狭いことが特徴です。
コースを外してしまうとまったく食ってこないことなどざらにあります。
基本、スローリトリーブでゆっくりと狙ったレンジとコースを長く引いてくることが釣果アップのコツです。
マイクロベイトパターンのロッドやリール
マイクロベイトは非常にアタリも微細なため、通常のMLタイプのロッドでは攻略するのは困難を極めます。
シーバスロッドのLタイプかUL。ほかの釣り種たとえばエギングやアジングのLタイプかULでは柔らかすぎます。
微細なアタリが取れたり、カレントの境目が分かるなど感度の良いロッドがマッチしています。
しかし同じMLでもエクスセンスジェノスのS92MLのようなティップがごく柔らかで感度のいいものなら併用が可能です。
マイクロベイトパターンのライン
マイクロベイトパターンのラインを考えるうえで重要になってくるのは「やはり微細なアタリをとる」ことと、「食わせがよい」ことが最優先。さらには警戒心をとくために出来る範囲内で極力細くすることが求めらます
0.8号がおすすめ!リップラップやストラクチャーの数やまっすぐ投げてくるのかシャローをクロスで引いてくるのかによって決めてください。どんなに太くしても1号までにしておくほうがこのマイクロベイトパターンの場合はアタリが増えます。
繊細なマイクロベイトパターンにおすすめのPEラインはG-soulX-8。日本の基準に忠実に作られたラインなので他メーカーの同じ号数のラインと比べると強度は同じなのに細い!
これがミソ!
よつあみ X-BRAID UPGRADE X8 0.8
マイクロベイトパターンにおすすめのルアー
それでは長らくお待たせいたしました。マイクロベイトパターンにおすすめしたいルアーを並べてみました。個人的な主観に基づいています。購入時の参考程度にしてください。
ティクト スピンボウイ 7g
この時期のベイトの大きさを一度見たらわかります。
前年からの冬が寒い年だった場合など、4月くらい~梅雨明けくらいでもまだ、思いのほか想像以上にベイトが小さい年なんてざらにあります。
マッチザベイトでサイズを同じくらいに合わせるとアピールが弱くなる…。などさまざまな問題も出てきます。
これならばサイズはまさにジャストフィットで、テールに着いたスピンブレードがキラキラアピール!小粒なのにアピール力は抜群。
ただ飛ばないので、ティップが柔らかく9ft前後のロッドにするといいです。しかも7gと軽めなので思いのほかディープレンジは苦手で、水深が2m以上ある場所では不向きです。
あくまで河川、河口のシャローで、小さなベイトがたくさん岸際に群れている状況で使うといいです。
シーバスのボイルが見えている場合はこれ一択!!
ベイトの群れの外側をただ巻きでトレースしてくると食ってきます。
アイマ コモモⅡ 65
このサイズなのによく飛ぶ!しかもこの時期の水深のほぼないドシャローまで追い込まれたハクや稚鮎などの小魚ベイトが浅瀬ギリギリまで泳ぐさまをイミテート。
自分の中で春のマイクロベイトパターンで、ナイトゲームで水面直下を泳がせるには欠かせないルアーになっています。ベイトがイナッコや稚鮎、小イワシの時に!!
マングローブスタジオ マリブ 68
ベイトのサイズがまだ小さいがシャローでイナッコやハクのベイトの群れが水面をピョンピョン飛び出している状態の時には、
”軽くて浮く小粒のシンペン”が抜群に効きます!
マリブは小粒ながらシンペンらしく飛距離もそこそこ出せるし、何といってもミノーのように扱えることも扱いやすい点です。サイズ的にはヨレヨレミニでもいいのですが、ヨレヨレだと沈み込み過ぎてレンジキープがしにくいので先端にリップのついあたマリブがマイクロベイトパターンには有効です。
従来のシンペンの使い方のように潜らせて流すのではなく、浮かせて跳ねさせて使うといいです。
ベイトの群れの5m~10m奥へキャストして、ロッドを立ててゆっくり水面から飛び出すか飛び出さないかのわずかなトゥイッチを入れながらリーリングしてくると下からバコッと食ってきます。
アイマ K-太 58サスペンド
いったん止めて食わせの間を与えることがきでるサスペンド設定。
サスペンドを使った、あまり活性が高くない状況でのストップ&ゴーはかなり有効。
釣れるルアーだったK-太70を、マイクロベイトパターンに照準を合わせて作られた一口サイズがパターンにジャストフィット!
橋脚周りとか届く範囲で小魚ベイトの群れがいても、ボイルが起こっていない状況下で群れの外側をトレースしてきてたときに入るであろう箇所でいったんステイ。これができるのがサスペンドタイプのいいところ。
ラパラ カウントダウン CD5
アピールが派出て強いので、早春よりも初夏の一歩手前、水温が上がりきる6月梅雨が明けてもベイトがまだ小さい場合には、サイズは小粒でもこれくらいキビキビと動くルアーが良くなってくる。特にデイゲームとかが適していると思います。
もう説明不要の永遠の名器でして、写真のSMLのカラーなどナチュラルベイトに近いカラーは春先のマイクロベイトパターンに挑むなら1本は常備しておきたいルアーのひとつです。
アピア アップライジング59
アピアの小粒サイズで、微波動系バイブレーション。小さめでローアピールなバイブレーションは飛距離も望めマイクロベイトパターンの時期には出番が多くなります。
これの一番の使い道はキレイなフォール姿勢の特徴を生かし、なんといってもリフト&フォールの縦のアピール。
リトリーブは止めずロッドの上げ下げだけでスローに上下を繰り返しながら一定のレンジを引いてきます。
ただ巻きの途中のときどき軽いトゥイッチも有効です。
ルアーが小さい場合、スナップも小さく!!
ルアーをせっかく小さいベイトに合わせたのに、スナップがいつも使う大きさのままだとちゃんとルアーの持つ本来の動きを損ねてしまいます。
小さなことですけどスナップもいつもより小さめ、5cm前後のルアーが主体になるのなら#000がおすすめです。
少なくても#00にサイズを落として使いましょう。
オーナー針 カルティバ P33 クイックスナップX
釣れない!マイクロベイトの脱却方法
プロアングラーでさえ難攻不落と言われるほど難しいマイクロベイトパターン。狙ってはいるし、条件は満たしているはずなんだけど釣れないと感じた時の対処法。
ベイトが見えたら狙う!これ鉄則!
シーバスのパターン攻略にはベイトの存在がなければ成立しません、もちろんマイクロベイトパターンも同じです。ですがその名の通りベイトのサイズもマイクロ!!
大群がいてもアングラーからは気づきにくいことがほとんど。
だからこそ見つけた時にはまず「打ってみる!」
というよりはほかの釣り方をしながらランガンしている最中にたまたま見つけたら…。というのが賢い釣り方でしょう。マイクロベイトパターンはそれだけを狙って釣っても確立が低いです。
case1.ベイトはいるけどシーバスが見当たらない
マイクロベイトは、シーバスにとって捕食しやすいベイトなので、水面上で確認できるほどのボイルが起こることはありません。ですから見つけにくいのですがその反面、群れを見つけさえすれば釣れる確率は高いです。
それでも釣れない場合は、すでに見切られている場合が多いです。場所を思い切って変えるか、一旦場を休ませてから戻るなどしてからルアーを変更したり、レンジを変えてみてください。