シーバスルアーのいちばん気になるのはどのルアーのどんなカラーがシーバスには有効か?どれがホントに釣れんの?という疑問が湧いてきます。それに答えを求めても決まって漠然とした情報しかなく曖昧なものばかり。
けれど!シーバスルアーの生態を詳しく掘り下げてみるとおもしろいことが判明。カラーよりも【サイズやシルエットのほうが大事】ということ!
この章では、その理由とともに、どうすればいいかを解説します。
シーバス釣り歴15年以上になります。川すずきを主に追い求めて駆け回り収入の半分は釣り道具につぎ込むシーバスオタクです。メーカーからの供給を受けルアーのテスターもしています。はじめた頃と比べると随分とフィールドの状況も変わり釣り方も変化しており、これからもずっと学び続けなければいけないと痛感しています。これまでの長年蓄積してきたノウハウを基に現代にあった”今釣れる情報”をお届けしていきたいと思います。
シーバスは色盲!カラーは無関係!?
プラグルアーにしろワームにしろ購入するときにまずはカラーで選ぶ傾向が見られますが、それは自分の「釣れそう」とか予想だけで判断していることも往々にしてありそう。
どの魚でも言えることではないですが、バス釣りの対象魚であるブラックバスとシーバスは色盲と言われています。色盲とは世界的にはおよそ2億5000万人いると言われる人間にもみられる色の認識・識別範囲(色の種類)が狭く限られていることをさします。
シーバスが識別できる色
・光に反射しキラキラ輝く色(シルバー系など)
光のあるところでは乱反射するもの。ホログラムなども含まれる。一見するとアピールが強くて目立つと思われがちだがイワシなどの体表の柄を見ると水の中の水草などの物体や海面の光が映り込む鏡面になっている。
水槽に鏡を沈めてみると水中の様子が映し出されますよね?それと同じ現象を起こしベイト自体も身を守っていると考えられています。ですからよりナチュラルなベイトライクなカラーと言うことができます。
・黒、紺、茶色などの濃い色
黒は「濃い色」、紺や茶色はやや濃い色などというふうに識別しているといわれています。
・水色や黄色
濃い色と同じく「淡い色」、「少し薄い色」といふうに濃淡で別のものだと認識しているといわれています。
・中間色
赤と白の中間色はピンク。赤と青の中間色は紫色、黄色と赤ではオレンジなど、各色相の最も彩度が高い純色ふたつを掛け合わせたもの。または純色に灰色を混ぜたものをいう。
色は濃さ(濃淡)で確認している
シーバスは色が何色かは判断できていないとされ、色の濃さで識別、認識しているとされています。
ではどうやって夜でもベイトフィッシュを食っているのかというと、このあと説明するサイズとシルエットが非常に有力であることがわかります。
カラーよりシルエットで見分ける
フィッシュイーターであるシーバスは色の識別能力よりもはるかにシルエット(輪郭)をハッキリ見識する能力に優れています。それらが、ベイトと同じ動きをしていれば捕食行動をとります。
夜の水中や濁った水の中でも人間にはぼやけてはっきりとしない遠く離れた物体であってもシーバスはくっきりとルアーの存在を認識することが可能と言われています。
先ほどシーバスが識別できる色の箇所で説明した「鏡面」を用いたり、メバルやハゼなど根魚は底質と同じ体色をし擬態することで自らシーバスなどのフィッシュイーターである天敵から身を守っているわけです。ですからシーバス側からすれば色で認識する能力はあまり必要がなく、それよりもシルエット(輪郭)で認識する能力を身につけて発展してきたといえるわけです。
シーバスの視力
バスやシーバスの視力は人間の数値で換算すると0.1~0.3程度だといわれています。人間の平均的な視力は1.0~1.5くらいなので、人間の車の免許でいうと「要眼鏡等」の分類に入るほどの視力しかなくあまり視力自体はよくないようです。
動体視力は人間の数十倍
自分と一定距離を保って移動している物体をどの程度はっきりとした姿形で認識できるかという、動体視力は人間の持つそれの数十倍と言われており、泳ぎが早いベイトも追跡できる視力を兼ね備えていると考えられています。
バイブレーションの速巻きにもごゴンッともの凄い力で食ってくるのはこの能力があるからだと思われます。
ルアーのサイズ
もちろんその時の天候(太陽光や外灯の光の有無)や、水質(水の濁り具合)、その時の状況はもちろん、その場所にいるベイトと同じサイズも重要な要素です。
いくら輪郭がはっきりするカラーを選んだところでベイトの大きさ(サイズ)が合っていなければ、逆にスレていくことにもなり兼ねません。
まとめ
このようにシーバスは色ではなくシルエット(輪郭)で判断していると仮定することができるわけです。こう考えるとこれまで漠然とした理由で選んでいたシーバスルアーの選び方にも的が絞れてきます。
色はシルバー系や濃い色の黒系、淡色または中間色。
その時の水中の状況でできる限りシルエット(輪郭)が際立つものを選ぶ
サイズ選択は必須。季節やそのポイントにその時シーバスが食っているベイトと同じサイズを選ぶ。