春のシーバスのベイトパターンによるおすすめルアーと攻略方法を解説します。
3月、4月、5月がメインとなりますが、早春はまだ水温が低い頃からはじまるパターンを引き継いでいたり、後半は梅雨明けまで引っ張る年もあるなど少し気難しい性質を持っているため、ベイトの把握が攻略のカギになります。
そうした春のシーバスの食性と行動パターンを理解し、おすすめルアーによる釣り方を解説していきます。
シーバス釣り歴15年以上になります。川すずきを主に追い求めて駆け回り収入の半分は釣り道具につぎ込むシーバスオタクです。メーカーからの供給を受けルアーのテスターもしています。はじめた頃と比べると随分とフィールドの状況も変わり釣り方も変化しており、これからもずっと学び続けなければいけないと痛感しています。これまでの長年蓄積してきたノウハウを基に現代にあった”今釣れる情報”をお届けしていきたいと思います。
春シーバスの特徴
春のシーバスは冬場産卵ために、沖の深場へと移動していた大型のシーバスが戻ってくる時期に入ります。
産卵で疲れ切ったシーバスが体力回復の為にエサを求めて岸近くまで接岸してくるタイミングです。
とはいえ、ガンガンにエサを荒食いする時期ではないので、ここを覚えておくことは春のシーバス攻略の大前提です。
ここをまず押さえておくとおくと必然的に釣り方が見えてきます。当然ベイトを追い回して食らいつくようなことはしません。
動きがとても鈍いです。
ですから、春のシーバスでは
が基本になります。
春シーバスはルアーサイズが肝心
まずベイトを意識すること
小さいものしか食わないのじゃなく簡単に食えるものしか食わない
生態からシーバスの食性を見ると、シーバスは特定のエサを捕食する性質を持っていません。
黒鯛のように貝や甲殻類を好んで噛み砕いたり、青物のようにイワシや味などの回遊魚を素早く泳いで捕食するような特別な能力は持っておらず、
シーバスがその時にいちばん捕食しやすいものを食べる性質があります。
まだ水温も低く産卵を終えた体力のない個体が増える早春にはこれが顕著に表れます。
ベイトの種類とルアーサイズ
またこの時期のベイトも幼魚の時期でありサイズが小さく、ベイト自体の動きが思いのほか鈍いので、
それをよく知っているシーバスもルアーのサイズや動きにはとても敏感になっています。あまりアピールの強い大きなルアーには食ってこないどころか、スレさせることにもなり兼ねません。
アクションにも気をつけなければいきませんが、
そのために捕食対象となるシーバスのベイトの大きさには非常に神経質になっているため
ルアーサイズは、そのときのベイトの大きさにマッチしたマッチザベイトが基本。
非常にきびしい選択で捕食する餌を見ているので少しでも大きいルアーだとまったく食ってこない状況なども生まれてきます。
ベイトの種類と、大きさ(長さや太さ)をまとめてみました。
ベイト | 長さ/太さ | |
アミの場合 | アミ類、小エビ | 約1cm~2,3cmくらい |
---|---|---|
バチの場合 | ゴカイ、イソメ類 | 約5cm~20cmくらい |
稚鮎やイナッコの場合 | アユやボラの稚魚 | 約5cm前後 |
表の数字からも読み取れるように、非常にベイト自体が小さいことが春の主流となるベイトの大きな特徴です。
またアミパターンでは、アミのような微細なベイトを模そうとすればアジングのワームなどになってしまうので、
”アミの集合体を模した”7~9センチ前後のルアーを選択します。
春も終わりに近づく頃のハクや稚鮎、ハゼなどのときには5センチ前後の、
シーバスルアーの中でも小さいサイズのルアーをセレクトすることがベターです。
ベターというのは、アピール力という意味では、春でも大きい個体もいるので
そこにいるベイトのサイズよりも大きなサイズのルアーで釣れることもありますが、
そういった定説から外れた使い方は状況の見極めが大事になってくるので
初心者の方が春のシーバスを攻略するには、このルアーサイズを基にしたほうが釣果が得やすいからです。
春のシーバスのベイトと釣り方
春は月日が経過するにつれ、この2,3ケ月間の間にベイトパターンが重なりあいながら少しずつ移行していきます。
このベイトのパターンをまず把握することが春のシーバス攻略のカギを握ることになります。
始まる時期は地域によって差がありますから、ここでは一般的な3月、4月、5月に当てはまる攻略パターンでお話します。
3月
3月初旬はまだ水温も低く、早いところでは2月からはじまっているアミパターンをまだ引きずっています。
アミは自分で遊泳力を持っていないため潮の流れに任せて大群で移動することから産卵後に体力の回復していない弱ったシーバスには絶好のエサとなります。
ルアーのサイズに神経質となる春ですがアミパターンのルアーセレクトは
アミの大きさは5ミリ~1cm程度です。マッチザベイトは無理なのでこのアミの大群を模すことで実現します。
もちろん水流によって流されるアミをイメージするので巻いてくる速度もデッドスローが基本。
3月も中旬近くになるとバチパターンもはじまってきます。
アミパターンの攻略ポイント
港湾部や河口
港湾部と河口がメインのポイントとなりますが、海が近い河川下流域の橋脚や消波ブロックなどのストラクチャー周りも狙い目になります。
このあたりにも湧いていることが多々あります。夜のナイトゲームが主体になります。
アミパターンの詳しい攻略方法については下記のページで解説しています。
もっと掘り下げて知りたい方は参考にしてください↓
3月~4月
速い場所では2月から、遅い場所でも、4月に入ると大概の地域でバチパターンもはじまってきます。いわゆるバチ抜けシーズンの到来です。
バチ抜けとはイソメやゴカイなどの多毛類が産卵の時期に入り、潮の流れを使って砂底から這い上がってくる時期のことで、アミと同じく大群で浮遊しているだけなので、シーバスとって捕食しやすい格好のエサとなります。
バチ抜けはボトムで発生していることもありますが、おおよそ表層付近まで浮いてきます。
そのため表層をスローに漂わせるように引いてこれるシンペンがメインになる時期です。
バチパターンの攻略ポイント
運河や湾奥
バチパターで春のシーバスを攻略するポイントは運河の内部や湾奥など、1年を通して水温が低くなりにくい、比較的水温が温かい場所から抜けはじめます
また大潮の夜、潮が動くタイミングがもっともバチが抜けやすいです。
バチパターンについても別章で詳しく説明しています。
晩秋の落ち鮎やコノシロなどのハイシーズンに次ぐシーバスパターンと言われているくらい楽しめるパターンなので、この際にしっかり習得しておくといいと思います。↓
4月も中旬くらいになると、早いところで堤防付近で稚鮎の群れが発生しはじめます。
5月~梅雨明け
5月いっぱいまでは、まだバチ抜けが続いている地域もありますが、この頃にメインベイトなってくるのは、4月中旬~下旬あらはじまった稚鮎パターンの時期に入ります。
晩秋に河口に産卵され孵化した稚鮎は、冬の間を海で過ごし、春に河川へ戻っていきます。シーバスもこのことをよく知っており、河口で待ち構えているというわけです。
またこの頃は稚鮎のほかに、ボラの幼魚であるイナッコ(ハク)などのパターンも成立する時期に入ってきます。
この頃の稚鮎やイナッコ(ハク)は体長が5cm~10cmほどと小さくいつものミノーでは食ってこないなど、ルアーのサイズやアクションにも気を使わないといけない時期です。
稚鮎、ハクパターンの攻略ポイント
河川~河口
稚鮎が戻ってきはじめるのは河口。河口が近くにある堤防付近でも大群が湧いています。
5月が過ぎ徐々に温かくなってくるとともにそれらももっと河川の上流に移動し、イナッコ(ハク)を中心によく見かけるようになります。
これまでと異なりデイゲームもおもしろくなってくる時期です。
それぞれの小魚パターンについても、別記事にてもっと詳しく解説しています。興味ある方は併せてご覧ください↓
だんだんと気温も上がり温かく感じ、初夏の兆しが感じられる季節に入るとハゼパターンもはじまってきます。
春のシーバスはアワセが肝心
また春の序盤は特にシーバスは腹は空かせているもののエサを果敢に追いかけるほどの体力はなく、ルアーに対しても「モワ~ンッ」とかあたっても「コッ」とかいう微細なあたりで、乗せきれないアタリが増えます。
そんなときはアワセの絶妙なタイミングが必要になります。
細かなアタリも拾うためには一瞬コンマ何秒かラインを送ってやれば乗りやすくなります。
わずかでも違和感を感じたら、ロッドを一瞬下げて、できた糸ふけ分送り込んでやるイメージでやると上手くいきます。
春のシーバスデイゲーム
春のマイクロベイトパターンの終焉、5月に入るとこれまでのアミやバチパターンと異なりデイゲームでも成立する時期に入ってきます。
この頃はベイトのサイズも想像以上に小さく、群れを成して泳いでいるベイトを、シーバスは岸近くの浅瀬に追い込んで捕食します。
そのため河川や河口の干潟などの
シャローポイントが狙い目になります。
潮周りに関してはここだけの話、自分の場合
この時期は下げ潮のタイミングがいちばんおいしいと思っていますw
・春のシーバスデイゲームは下げ潮を狙う
春シーバスナイトゲーム
アミパターンや、バチ抜けはナイトゲーム主体になってきます。
そのため、シンペンを中心にバチパターン攻略なら10センチ前後のあるルアーをセレクト。
アミのときはアミが密集している大群になるようにクリア系の10センチクラスを選びます。
また稚鮎やハクなど小魚パターンに移行するときは特にマッチザベイトが基本ですが、
ナイトゲームの場合は、暗がりでシーバスの警戒心を解くことができ、
多少サイズが大きいほうがルアーから離れた場所にいる個体にも気づかせることができアピール力が増すので
使い方次第で、大きいシーバスを狙うこともできます。
ただこれには熟練した経験と、言葉では説明しずらいいくつものその場の状況判断がいるし、ベイトのサイズにセレクティブになっている個体は食ってこない状況も生まれてしまうため、
初心者の方が、春シーバスでまず1本を釣り上げたいのであればルアーサイズは、ベイトのサイズにあわせたほうが無難です。
春のシーバスルアーおすすめ
お待たせしました!春のシーバスに効果的なおすすめルアーのご紹介です。
ここまでの解説で春のシーバス攻略に必要なベイトの存在と、それに合わせた釣り方とルアーの選び方は知ってもらえたはずです。
それらの知識を元にここからは、ベイトパターン別におすすめルアーとその使い方をご説明します。
アミパターンのおすすめルアー
ラッキークラフト ストリームドライブ45HD
アミに模して攻略するときの一押しルアーがこちらストリームドライブの45HD。シンペンです。
軽く水面直下10~30cm(表示上はそうなっているが体感としては~20cmくらい)ちょうど良いレンジをゆったりと泳がせて来られ、またこのミノーのようなリップが水を噛むため風が強かったり、流れが速いときにでもドリフトなどもやりやすいです。
またそれだけじゃなく、アミパターンに抜群に効きそうなカラーが揃っていることもおすすめの理由です。
おすすめのカラーは写真のアミレッドコアと、クリアーホロリウム赤チリの2本!
バチパターンのおすすめルアー
ジャクソン にょろにょろS 105
バチパターンに有効なルアーは数あれどやはり定番ルアーのこのにょろにょろはまだ春の1軍からは外せない。
いろいろ迷うけど、春のバチ抜けで1本だけ持っていくとしたら迷わずにょろにょろを持っていく
細いバチ抜け用シンペンは、少しでも風が強いときや、流れのはやい場所では扱いにくくなるけど、このにょろにょろは他のバチ抜け用シンペンと比べても重さもあり(105で9g)細いけどよく飛びます。
またリニューアルして、シングルフック仕様になったことで、微弱なアタリも拾えフッキングがアップしています。
またこの細いシルエットとシンペンらしい控えめなアクションは活性が低い時にも有効で
春だけでなく、釣りにくい冬場でも有効になると考えているアングラーさんも多く、自分もそのひとり。
春の稚鮎、イナッコパターンのおすすめルアー
ティクト スピンボウイ 7g
春を幾度となく経験して来て、昨年のように水温が上がり切らずに梅雨が長引いたりした年に気が付き始めたのが、この小型のスピンテールジグを使ったマイクロベイトの小魚パターン攻略。
よ~くよく稚鮎やイナッコの岸近くに寄ってきた群れを観察してみてください。キラキラしていませんか?
そうです!体長が短く小さい分動くたびに側面が見えるためそこに光があたってサイズの大きいベイトよりもキラキラしながら泳いでいるのです。
これにピッタリなのが、ミニマルサイズのスピンテールジグ。
小さいものは飛距離がイマイチですが、このスピンボウイは45mmというミニマルサイズで7gあり、他のものよりも飛ばせるためシーバス用におすすめです。
おすすめのカラーは写真のBCHバチだけど夜の視認性が悪いので、気になる人はBBPバチバチピンクがおすすめ。
アイマ コモモⅡ 65
このサイズにしてはよく飛ぶし、水面直下から40cmくらい潜るimaのコモモⅡ 65。
春から夏にかけてのベイトが小さい時期のマイクロベイトの小魚パターンに非常に役に立つ小型のフローティングミノーです。
稚鮎だけでなく、まだ成長途中のイナッコ(ハク)にも使えるマルチなルアーで春のお気に入りルアーのひとつです。
自分のおすすめカラーは、稚鮎、イナッコどちらもいける写真のゴールドボラ!
アピア アップライジング59
昼間のデイゲームとか、夜でも小型のミノーには食ってこないときに有効になるのが、波動が控えめのローアピール系の小型バイブレーション。
スローなただ巻きの途中に、トゥイッチやリフト&フォールでゆったりと誘い出します。
バイブレーションらしくない超微波動なこともあまり活性が高くない春の時期のシーバスには適していますが、このアップライジングの優れた点はもいひとつ、リトリーブ中とフォール時の水平姿勢にあります。
これはスレたシーバスやあまり口を使ってくれない状況下で強い味方になります。
4月中旬から6月の梅雨明けシーズンまで自分のメインルアーです。