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お正月のおせち料理の材料になる「縁起の良い魚介類」7つの由来

お正月に食べるおせち料理には、縁起物として数々の魚介類が用いられます。

それには縁起が良いとされる由来があり、おせちならではの料理方法が考え抜かれています。

興味深いおせちに入っている魚介類の縁起の由来と調理方法をご覧ください。




引用画像:PhotoAC

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ブリ


”羽ブリ良く”立身出世
卵からかえって幼魚から成長する段階で呼び名が変わる出世魚として縁起が良いとされてきました。

関東では、モジャコ⇒ワカシ⇒イナダ⇒ワラサ⇒ブリ
関西では モジャコ⇒ワカナ⇒ツバス⇒ハマチ⇒ブリ
と成長に応じて名称が変化するブリを古来から日本人は

社会に出て出世していく人物にたとえ立身出世を願うために祝い事などに用いられるようになりました。

おせちは、1日にすべてを食べるのではなくお正月の間に何度かに分けて食べるので、単純な塩焼きよりも味を含ませて焼いたり煮たりする料理が一般的で、おせちのブリは照り焼きや柚庵焼きにされます。

いりこ(カタクチイワシの幼魚)

1年の田畑の豊作祈願

カタクチイワシの幼魚を乾燥させた「いりこ」を砂糖や醤油で炒った甘辛い「田作り」と呼ばれる料理。

昔、大漁に取れるイワシの幼魚を田畑の肥料にしたことろ、その1年五万俵もの米が収穫できたことから「五穀豊穣」の象徴として古くから長きにわたりおせち料理に豊作祈願として扱われるようになりました。

海老


”背の曲がるまで”長寿祈願
エビはその外観からいくつもの縁起が良いとされています。

一つめは、目が外側に飛び出していることから”目でたし”

二つ目は、長いひげ(触覚)と火を通すと曲がる様が腰の曲がった年寄りに見えることから”長寿”

三つ目は、脱皮を繰り返しながら成長するので”新しく生まれ変わる”とされ縁起が良いとされてきました。

画像:
膳の料理日誌

おせちに用いられる海老料理の代表は殻ごと甘辛く炊いた甘露煮。伊勢海老が用いられる場合にはその頑丈でごつごつした甲羅が戦国武将の鎧ににていることから鎧(具足)に例えられ丸ごと煮付けにされます。

数の子(ニシンの卵巣)


子宝に恵まれるよう子孫繁栄を願って
たくさんの子宝に恵まれ子孫繁栄の象徴とされおせちに欠かすことができない料理のひとつである数の子。

ニシンの卵ですが、漢字で「二親」とも表されることから二人の親からたくさんの子どもが生まれるようにといくつか種類のある魚卵からニシンの卵が選ばれたとされています。

棒鱈(タラ)

画像:丸茂商店

”タラ腹食べて”1年食に困らぬよう祈願
関西より西の地方ではおせち料理の定番。
元は北海道や東北など寒い地方で撮られたタラを身がカラカラになるまで棒状に干したものが保存食として京都を中心に関西に広まったことがきっかけとなりおせちに用いられるようになりました。

”たら腹食べる”という語呂合わせから「1年間食べることに困りませんように」という願いが込められています。

3日から1週間たっぷりの水に丸ごと漬けて戻し、煮付け(棒鱈煮)にしたり、和え物にされます。

あわび


不老長寿を願って
あわびは成長を繰り返し大きくなるまでに15年~20年も生きることから「不老長寿」の象徴とされています。

今も昔もあわびは高級食材で天皇家の祭りの供物や土地の神様に対する供物としてだけ贈答する習慣があったそうです。

おせちに用いられる姿煮がイメージしやすいですが、元来はあわびの身を細かく切って炭火を使ったアイロンのようなもので薄く平たく伸ばした火熨斗(ひのし)と呼ばれる調理方法でつくられた「熨斗(のし)あわび」

画像:伊勢せきや

タコ


多幸(タコ)、1年間の幸せを願って
関東より北の地域でよくおせち料理に用いられることのあるタコ。

茹でると真っ赤になるタコ。赤色は昔から「魔除け」の効果があるとされていて、またタコは敵が来たら墨を吐き出すことから「苦難を煙に巻く」と捉えられ縁起が良いとされてきました。

タコは「多幸」という当て字で呼称されることもあり、1年たくさんの幸せでいられますよにとの願いも込められています。

タコは塩茹でや旨煮が一般的な料理ですが、おせちに用いられるのは「酢だこ」。酢を用いることで日持ちがし、これまで忙しくしていた母親にお正月くらいはゆっくり過ごしてもらおうとの計らいがあると言われています。







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