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ノコギリエイのその突出した特徴ゆえの激減した原因と各国の保護対策

ノコギリエイはサメのような形をしているがエイの仲間でその鋭利なまるで電気ノコギリの歯のような頭部から突き出した吻(ふん)=動物の口先を持つ魚類。

適応能力が高くかつては世界中の温暖な海域にに生息していた記録が残っていますが、今ではその数は減少しています。

そのノコギリエイの特徴がもたらした理由ととられている対策について触れています。

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特長的なノコギリのような吻(ふん)

画像:Wikipedia

鼻先についているまるで大きな木を伐採する電気ノコギリの歯のような吻(ふん)を持っています。

吻(ふん)とは、動物の口先または頭部から突出している身体の一部の構造物のことをこう呼び、ゾウの長い鼻や、昆虫のストロー状の口器など伸縮可能なものも含む総称です。

ノコギリエイのこの吻には高性能な感覚器官が備わっており、この吻によってエサとなる魚の電場を感じ取り、この吻で獲物を気絶されたり、切断することもあるそうです。

視覚に頼らなくても獲物を捕獲することができることから、夜間行動がメイン。

また外的であるサメやイリエワニなどが近づいてきたときの武器としてもつかわれます。

ノコギリエイとノコギリザメとの違い

左がえらが下にあるノコギリエイ。右はえらが横にあるノコギリサメ。

同じように吻を持つ魚類の中にノコギリザメもいますが、ぱっと見が非常に似ているため違いが分かりにくいですが

見た目で判断する方法があります。

それがえらの位置です。

ノコギリエイは身体の下にあるのに対して、ノコギリサメは身体の横にあります。

激減した理由と保護対策

画像:伊勢シーパラダイス

さまさまな塩分濃度に対応できるノコギリエイは、かつてはメキシコ湾からカリブ海まで広い範囲に生息していました。そのことは各国の保管されている海洋資料でも明らかになっています。

比較的温暖な場しょであれば、アマゾン川やコンゴ川など淡水域にも生息していましたが、現在はその数が激減しています。
かつては75カ国に生息していたと聞きますが、現在はたったの20か国でしか確認されていません。

それは何故かというと特徴的なあのノコギリのような吻が、漁師がほかの魚を取るために掛けた網に

エサとなる魚を追ってきている際に引っかかってしまうことが脅威となっています。

 

各国の対策

国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでノコギリエイは近絶滅種に分類されるまでに数を減らしています。

そのためひれや肉、内臓、皮、吻、歯はすべて、国際取引が禁止されています。

もっとも生息しているといわれるオーストラリア北部でも、いくつかの法律で保護されており釣り人が誤って釣りあげてしまった場合などに役立つ、安全に戻すための方法などを紹介する啓もうキャンペーンなどが行われています。

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