釣りがメンタルヘルスに効果的とされる理由を解説します。
釣り道具を持って川や海へ出掛けて、キャストするだけで気持ちいいと感じ一気にストレスが吹っ飛ぶような感覚を経験したことはないでしょうか。
釣りマニアであるアングラーの方はすでに理屈抜きで体感として感じ取っているのかもしれません。メンタルヘルスに効果的な釣りがどのように私たちの生活に好影響を与えてくれるのか紐解いていきたいと思います。
小学生の頃に釣りをしはじめルアーフィッシングに目覚める。釣り歴18年でIl Pescariaの番頭です。バス釣りからチニング、エギング、アジング、オフショアのライトジギング、チーバス(小さいシーバス…汗)で週3~4日はどこかにいますw 生涯で釣りに使ったお金はおおよそ軽自動車なら楽々新車で買えるほど投資しました。その経験と良いと思ったことはすぐに誰かに話したくなる性格(おせっかいでおしゃべり!?)を強みに日々魚と奮闘中!
メンタルヘルスとは
メンタルヘルスは日本国内では「心の健康」などと訳されることの多い、精神的な疾患の予防から発症時からの回復などを行うことまで全般をさします。
メンタルが不調により脳の機能が低下し、集中力や判断力が落ちるのは当然、
また周りの物事に対する好奇心や意欲も低下してくるので、仕事など日常生活に大きく影響します。
メンタルヘルスの代表的な疾患として下記のようなものがあります。
パニック障害/不安障害
適応障害
これらを未然に予防する措置や、疾患後のケアをさします。
メンタルヘルスが日常に与える影響
一個人のメンタルヘルス不調は組織全体で見た活力低下、生産性低下につながり組織全体の活力が削がれていきます。
昨今では個人の問題だけでなく、職場環境など社会全体で取り組まれており組織の中で、イキイキと仕事ができているかどうかなど従業員に定期的なチェックをする企業や、ストレスチェック(2015年から労働者数50人以上の事業所では年1回のストレスチェックが義務)や精神分析を行う専門医を雇っている組織も今では珍しくありません。
釣りがメンタルヘルスにいい7つの理由
メンタルヘルスへの取り組みとして仕事中の適度なリラクゼーションや、レクリエーションなどを行うことで心身のバランスを整えたり、
また休日は仕事脳をリセットして、好きな映画を観たり、音楽を聴いたり、
趣味に没頭するなどして脳を休めることに集中することが大切だとされています。
そんな中、今注目を集めているのがメンタルヘルスケアとしての釣りです。
ここに釣りがメンタルヘルスに効果的だと言われる7つの理由をそれぞれ解説します。
①ストレスレベルの削減
海洋生物学者のウォーレス・J・ニコルスによると釣りは普段の日常生活から離れた水辺や水の上に行くことで、それだけで一種のリラクゼーションを体験できるといいます。
ウォーレスさんの著書「Blue Mind」の出版後のインタビューでも語っています。
being ‘near or on water’ for any amount of time lowers stress and anxiety, boosts our well-being and happiness and lowers heart and breathing rates, among other benefits
出典:‘Blue Mind’ Why being near the water makes you happy|USATODAY
直訳すると
「どんなときでも、水の近く、または水の上にいることはストレスや不安を軽減し、健康かつ幸福度を高め、
また、心拍数と呼吸数を下げ気分を安定させることができる利点がある」
と説かれています。
②自己肯定感の向上
元々が自己肯定感が低い人ほど気づきにくい、自分自身を求めるという能力。現代社会を生き抜くためには大切な要素だと言われています。
釣りは簡単ではありませんよね?
釣るためには仕掛けを考え、ルアーやタックルを選んで、
いつ挑んだらいいのか時間や水流や気温水温を見計らい釣行計画を立てます。
それがいわゆる釣るための戦術となり、釣りの自分で考えた戦術で釣れた魚の満足感を感じ自己肯定感を増してくれます。
どのような趣味でも同じように、時間を掛けてテクニックを磨く過程でその物事について自発的な積極性が出てくることで自尊心を高めます。
③ビタミンDの増加
ビタミンDはある程度の紫外線を浴びることで体内で生成される成分で、特に午前中の日光浴が良いとされており朝マズメからの釣りに出向き、
太陽が昇りきってからも釣りを続けることで、体内でのビタミンDの生成を促します。
ビタミンDは歯や骨を健全な状態に保つほかに、免疫システムを正常に働かせるために有効な成分で、うつ病にも効果化があります。
④体力回復
新緑のある湖や河川の中で釣りをしていると清々しい心地よい気持ちになった経験はありませんか?
ヨーロッパの釣り関連リサーチメディアのAngling Researchの調べによると、
釣りは身体の健康回復の為に必要な環境へ出向く機会を提供するといいます。
自分のペースで緑に囲まれた水辺にいくことは身体の回復につながるとの多くの研究から証明されているといっています。
7年前に脳の大手術をし2ケ月入院をして仕事に復帰したときに、夢中になっていたのが湖のバス釣りと河川中流域以上のシーバスやチニングのリバーゲームでした。
その頃理由についてはまったく知りませんでしたが、何となく心地よくて暇があれば湖と川に出掛けていたのを思い出しました。
⑤集中力アップ
釣りはわずかなアタリを逃さぬよう穂先に意識を集中させたり、
ルアー釣りのただ巻きでも水中の様子を手元に伝わってくる感じを自分の感覚だけで読みとります。
このように何かひとつのことに集中することは、ほかの雑念を追い払う時間にもなり頭の中のリフレッシュのほか、
日頃低下していた集中力を高める練習にもなります。
⑥身体のバランスが整う
相対的な言い方になってしまいますが、釣りは一種身体を動かす運動になります。
特にルアーフィッシングは、キャストしてリーリングを永遠繰り返し、
その場所が釣れなければ自分の足をつかって歩き回るランガンをしていきます。
ある程度力を振り絞り、汗をかくことでランナーズハイにも似た高揚感と釣行後の爽快感を手に入れることができ、
また予想もしていなかったような驚くほどの釣果をあげたのなら満足感も付加されます。
釣りがスポーツかどうかはよく議論がされていますが、
身体を動かす運動
としてみると、釣りはそれほど難しくなく楽しめる運動の部類だと思います。
⑦ソーシャルエンゲージメントが測れる
ソーシャルエンゲージメントとは簡単にいうと、社会と自分との関係性を意味します。
この関係性で、自分が社会的にどの位置にいるのかという質がわかると幸福度が高まると言われています。
釣りにいくと釣果を写真撮り、保存したり、知人に見せたりします。
今ではインスタやツイッターなどSNSに投稿する人もいるでしょう。
たとえ一人で行く釣りでもSNSを介して多くの人とつながりを持てます。
こうしたSNSのプラットフォーム上での人々とのつながりの中で、釣りという同じ趣向のコミュニティに属しているという満足感も得られます。
ただし…「いいね!」の数を増やしたいだけのためにマウントをとったり誹謗中傷したりするのはよしましょう。
釣りとメンタルヘルスまとめ
冒頭でもお話したように、すでに釣りマニアを認めているような人にとってあたりまえのことのように思えることでも、
ひとつひとつ釣りに行きたくなる理由を掘り下げて聞いてみると知らなかった理由が隠されていたことに改めて気づかされたことと思います。
知らなかった理由づけだとしても、その意味をしると納得せざるえない理由ばかりでした。
釣り道具は年々高くなっていくし…。
ポイントはどこもかしこもプレッシャーが高まっていたり、絶対的な個体数が減ってきていることなどから
釣りを続けること自体が厳しくなってきていますが、このような理由からいま今後も釣りは継続していきたいです。