ルアーの歴史を探っていきます。
釣りマニアが自分たちで平然と使っている使っている疑似餌はどのようにして生まれ、どのようにして今日まで発展していったのか?
その歩んできたルアーの経過を辿りながら、自分たちが気になって仕方がなかった興味深い日本のルアーの歴史にも触れていきたいと思います。
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ルアーの歴史
ルアーの定義は難しく、プラグルアーだけを指すという人もいますが、ここではプラグやスプーンなどハードベイト、ワームやフライまでをすべて「疑似餌」として捉えてルアーの歴史を辿ってみました。
現在にまで証拠が残っているものはなく文献のみをたどるしか方法はありませんが、古代ローマの著述家クラウディオス・アイリアノスが残した著書の中に
フライフィッシングに関する記事が書かれており、この書物が書かれた2世紀(西暦175年~235年頃)にはすでにフライ(毛バリ)が存在していたとみられています。
ルアー発祥はアメリカのスプーン
自分たちがもっともよく扱うハードルアーの起源を探ってみると、おもしろいことが判明しました。
ルアーのはじまりはスプーンだったというお話です。
そのスプーンルアーの原型をつくったのがアメリカのジュリオ・トンプソン・ビュエル氏でした。
バーモント州ラトランド郡のキャッスルトンとハバードトンのふたつの街を挟むボモゼン湖で父親とボート釣りを楽しんでいた時、
岩にぶつかってしまい、その時持って行っていた食器用のスプーンを湖面へ落としてしまいます。
そのときユラユラと落ちていくスプーンにレイクトラウトが食い付くのを偶然目にすることになります。
そこで、家に帰りスプーンの柄の部分を切断し、針を蝋で固定して作ってみて、ボートに戻りトローリングするとレイクトラウトがバンバン釣れたそうです。
ルアーがはじめて市販化された年
それから間もなくして1827年頃、釣り好きの雑誌社のライターと知り合いになり、彼に自作したスプーンルアーを送たっところ、
偉く気に入ってくれて雑誌で紹介され瞬く間にスプーンルアーが話題に上り始めます。
そしてついに1848年には代々継いだ家業を辞めてしまい、フィッシング用ルアーつくりに本格的に乗り出します。
それから4年後の1852年に釣り道具史上、世界初となるルアーの特許を取得するまでになりました。
写真からもわかるように最初に市販化されたビュエルがつくったルアーは今でいう、トラウトに用いるトレブルフックのついた「スピナー」の原型だと思われます。
そして1854年にはすでに、現在ではバス釣りで当たり前にある、ジグヘッドなどの障害物を回避させるための「ワイヤーガード」が取り付けられたスプーンでも特許が取られていることが記録に残っています。
プラグルアーの起源はラパラではなくへドンから
そこから、木製の削り出しルアーなどが生まれ、1890年にジェームズ・ヘドン氏の手によって現代のハードルアーの原型であるプラグルアーが世界ではじめて発明されます。
日本人からすると”プラグルアーの誕生はラパラ”だと単純にそう思ってしまいそうですが、
実は同じく淡水魚のルアーとして名高い名門へドンだったのです。
ラパラは今のルアーの形状の原型になっているものをコルクから削り出したのが1936年のことでした。
世界でひとつ目のワーム
へドンもラパラも関係ありませんが、
1949年にいまでいうワームの原型であるソフトプラスティックを使ったプラスティックベイトが、ふたりの男性によって世界ではじめてつくられました。
日本のルアーの歴史
出典:餌木・エギ|道楽庵
日本のルアー(疑似餌)の歴史を辿ると、1700年ごろにはすでにイカ釣りに用いる今でいうエギ(餌木)が存在していたとされています。
それ以前でも日本でも紀元前九世紀頃に毛バリが使用されていた釣り方があったという事例も出でいますが、実際には確認されておらず証拠に乏しく、
日本だけでルアー(疑似餌)の起源を見た場合、エギ(餌木)だという見方が有力になっています。
世界初の重心移動ルアーを開発したのは日本
自分たちがいまルアーの飛距離を獲得していて、当たり前のように使用している「重心移動システム」は正真正銘日本生まれです。
現代のハードベイトは単に錘と針、ボディからなるものではなく、素材やそのほかのパーツによる違いがもちろん、飛距離を増すためにさまざまなルアーが開発されています。
それがローリングベイトやフィードポッパーで有名な日本の「タックルハウス」でした。
日本がバブルで景気も盛り上がりはじめていた1988年のこと、
タックスハウスのルアーデザイナー二宮正樹氏の手により、
世界初の重心移動システム「K-TEN」を開発。
タックルハウスK-TENフレッシュウォーターに搭載され発売されました。