今にも沈みそうなミニボートに大人2人が乗り、潜水士の人が泳いで救助に向かう写真とともにニュースになった福井県美浜町の沖合で起こった事故。
救助に駆け付けた敦賀海上保安部の巡視船の乗組員の人は目を疑ったといいます。
船がつくられるときの「浮力の原理」を完全に無視した光景に唖然とします。なぜこんなことになったのでしょう!?
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免許や許可がいらないミニボートの危険性
長さが3m未満の船=ミニボートには船舶免許などの資格がなくても操縦できるほか、船体の検査いわゆる車の車検のような「船検」も必要ありません。すべて個人の判断、技量で扱うことになります。
ただこれを甘く見ていると、今回福島県で起きた事故にも繋がります。
沈みかけた原因
船が大海原に浮いているのは、「浮力の原理」に乗っ取って作られているからです。
浮力とは、水の中に物体が入ったときに、本来であればそこにあった水が物体の大きさと等しい分だけ押しのけられ、この押しのけられた水の重さと同じ重さの物体を浮かせる力が働きます。これを「浮力」といいます。
すなわち、船は押しのける水の量よりも船の重さが軽くなるように設計されているから、どんなに大きくても浮いていられるのですが…
これが船の重さが浮力を越えてしまうと・・・
そうです、ミニボートは2人乗っても、今回救助された釣り人はクーラーボックスにロッドを数本…。
航行不能になるまで浸水してしまったのは”積荷の乗せすぎ”が原因でした。
出航してから間もない頃にすでに、ボートの水面から上に出ている高さ(乾舷)がわずか20センチほどしかなかったといいます。
誰にも釣られていない、プレッシャーの低い魚を求めて沖へ出たくなる気持ちもわかりますが、今回はふたりとも帰還し命に別状はなかったからいいですが少し無帽だったようです。
大人の釣り人としてちょっと恥ずかしい。
より多くの釣果を狙いたい気持ちは理解できますが、水辺はいつも危険と隣りあわせです。下準備や調査などしたうえで釣りにでかけましょう。