ショアジギングにベイトロッドという選択をするひとが今増えています。ショアからのジギングの場合は飛距離に重点が置かれ普段ならほかのタックルを選んでしまいがちですがあえてベイトロッドを選ぶことで釣りやすくなる魚種もあります。
この章ではベイトロッドの魅力と、ショアジギングに用いることで得られる利点などを解説。最後に人気メーカーのショアジギングでおすすめのベイトロッドと、相性の良いリールもご紹介します。
気軽に大物が楽しめるライトジギングだけを8年続けているという偏った釣りをしています。青物の強い引きに魅せられてどこへでも出かけていきます。日々進化する昨今人気ののショアライトジギングからショア、オフショア問わずジギングもこれまでの経験から実釣で生かせる釣り方やタックルのことを紹介していきます。
ショアジギングでベイトロッドを使う利点
ショアジギングで、スピニングではなくベイトロッドを使うと以下の多くの利点が得られます。ここをひとつづつ確認してみます。
パワフルなファイトが可能
ベイトロッドとリールを合わせたベイトタックルの場合、ラインを巻いているスプールに対して直線でガイドまでラインが伸びそのまままっすぐに飛んでいくので、太いラインにしても飛距離の影響を受けにくく、太いラインも選択可能になります。
実際にハタなどの大型根魚を狙う場合、2.5~3号のPEなど太いラインを巻いてもベイトタックルの場合スピニングほど飛距離への影響を受けません。
また、この直線で出ているラインの恩恵を受け、手元の巻く力を分散することなく引いてこられるのでトルクフルなパワーファイトが得意となっています。
手返しが良い
ベイトタックルはスピニングのラインを指に掛けてキャストしてヴェールを戻す作業が、手元のクラッチを親指で抑えたり離したりするだけで可能なため、投げて、動かす、巻く。一連の操作性が早く手返しがいい。
ショアから広範囲をサーチする場合、フォール中のアタリなど感じた場合でもハンドルから手を離しヴェールを返す作業だでもワンテンポ遅っかたりしてしまうこともありますが、ベイトタックルでは利き手はハンドルに添えたまま片手でクラッチ操作するだけで行えるので、瞬間的な不意のバイトも逃しません。
ちょっとしたこの操作性だけでもかなりスムーズに釣りができるようになります。
感度が抜群
ラインがロッドに対して直線的に出せるベイトタックルは、その分余計な屈折がなく水中からの情報をロッドをつたって手元まで伝わりやすく感度が向上します。
クラッチを操作を行う手でロッドとリールを握り込むようにして持つので感度をアングラー自身も受け取りやすくなっています。
あやふやになりがちなボトムタッチも鮮明になり、フォール中のドンッとくる強いアタリは体感すると違いに驚くほどです!
ショアジギングでベイトロッドを使う場合の注意点
ここまでベイトタックルをショアジギングで使用する利点をお話しましたが、決して良いことばかりではありません。
どのような釣り道具にも言えることですが、注意点を理解して使いこなすことが大切になってきます。
ライントラブルが起こりやすい
クラッチを切りキャストする際に押さえていた指を離してラインを放出⇒着水後に親指で止める動作の際、ラインが放出される向きと投げる向きが直線になるベイトタックルの場合、出ていくラインの量よりスプールの回転速度が上回ってしまいライントラブルを起こしてしまうことがあります。
これがバックラッシュです。
まったくの釣り初心者でもある程度はすぐに使えるようになるスピニングと異なり、ライントラブルを防ぐには数投げて練習を重ね、慣れが必要になってきます。
飛距離はスピニングに劣る!?
先に太いラインを使用しても飛距離が落ちにくいとお伝えしましたが、元々の遠投能力はスピニングよりやや劣ります。
ややと言うのも、実際にはアングラー自身の技量によるところが大きいからです。
飛距離が大きな武器となるショアジギングにおいては欠点と捉える人もいますが、実際はベイトタックルでも、遠投するキャストの方法を習得すれば100m以上の飛距離を得ることができます。
メンテナンスは必須
ベイトリールは淡水専用と、海水対応がありショアジギングの場合当然「海水対応(水洗い可能)」を選ぶ必要があります。
スピニングリールと比較すると、水が浸水しやすい構造になっており、当然のことながら釣行後の水洗いは必須。
真水(冷水)で洗って自然乾燥させておくだけでも機能が持続できます。
ショアジギングでベイトロッドが向いてるターゲット
メーター級の青物でもサワラなどは掛けてもすぐに浮いてくるので比較的ファイトも楽ですが、丸太のような巨漢でグイグイ潜るブリ(ハマチ)や、根に潜り込もうとするハタなどの大型ロックフィッシュには太いラインとパワーファイトが可能なベイトタックルは最適!
掛けた時に根に入るターゲットを、強引に根から剝がせる力強いパワーはベイトタックルにしか出せない技です。
ショアジギングのベイトロッドの選び方
通常より重量のあるルアーやメタルジグを使用するショアジギングはベイトタックルにもそれ相応のパワーが必要になっててきます。
長さ
やはりベイトロッドでもショアジギングの場合は飛距離が必須条件となるため、長さの長いロッドが好ましいです。
自分の背丈や、行く予定のポイント(釣り座の高低差など)によってできるだけ長いベイトロッドを選びます。
自分の実釣経験からいうと8.6フィート~10.6フィートがベスト
フィールドの足場の状況にもよりますが、自分の場合は飛距離も出せて、取り回しが良いバランスで9.6ftか10ftを主に選んでいます。
ベイトロッドの場合、それ以上に長いと、磯や堤防など小場所では取り回しが悪くなってしまうこともあります。
行く釣り場所によって選ぶと飛距離と操作性の両方を生かせるるので、堤防や足場の高い磯の釣り座メインなら9.6フィートから10.10フィート。サーフメインなら9.6フィート前後から10フィートの長さを選ぶといいでしょう。
硬さ
ショアジギングの種類によって必要になるベイトロッドの硬さは異なりますが、主にパワーファイト重視で選ぶほうが、スピニングタックルとの使い分けもできていいです。
その場合、タイプがMH以上で、HまたはXHが適しています。
ほかのSLJやライトショアジギングの場合、ルアーのキャストできる許容重量を調べて選ぶのがいいです。
ショアジギングの種類によるロッドの硬さの選び方は下記の記事で詳しく解説させていますので、併せてご覧ください。
ショアジギングのおすすめベイトロッド
ここからはショアジギングにおすすめのベイトロッドをメーカー別にご紹介します。
ここではターゲットを青物や大型のハードロックフィッシュに限定してセレクトしました。
ヒラメなどフラットフィッシュ系やシーバスだけならまだたくさんのおすすめベイトロッドは存在しています。
それでも青物は釣れないことはないですが、やはり中型クラス以上のハマチ(イナダ)サイズの青物が掛かった時のファイトはそれらのロッドでは青物対応のベイトロッドと比べたらパワーに難があります。
主導権を持っていかれランディングに時間が掛かってしまいます。そのため今回のおすすめからは外しています。あくまで青物攻略のショアジギングのおすすめベイトロッドとして選んで頂けるといいかと思います。
今のところショアジギングで使えるパワーをもった長いベイトロッドの数はそう多くはありませんが、見ているだけでかなり欲しくなる魅力的なものが揃っています。
シマノのおすすめショアジギングベイトロッド
シマノ 21コルトスナイパーXR B100MH
ジギングロッドで定評のあるコルトスナイパーから2021年に登場したショアジギング専用ベイトロッド。
ベイトリールが持つパワーなどの利点を最大限に引き出せる設計。太いPEラインの使用においてもスピニングをを上回る遠投性能を実現しています。
深場へ走る大型青物の強烈な引きを受け止めパワーファイトが可能。現在自分の一押しベイトロッドです☆彡
長さ | 10ft | 自重 | 307g |
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綱数 | 2本 | 仕舞寸法 | 157.1 |
ルアー許容重量 | Max90gjig/Max70plug | 適合ライン | ~Max4号 |
シマノ 18ワールドシャウラ 1833RS-2
ショアジギングロッドとしてはレングスが短めですが、こちらをおすすめするのはショアの大型根魚用に使ってほしいからです。
特筆すべき点はこのパワーのある硬いブランクスですが、根魚をリグで狙うときのトゥイッチなどにもティップが緩いベントを描きながら適度に曲がってくれる操作性を兼ね備えている点と、感度の良さです。
ただ硬くてダルいだけのロッドじゃないのでこのレングスでショアジギに生かすのなら大型ハタなどを見据えて持っていきたいです。堤防や地磯からのランカーシーバスにも何も問題なく対峙できるパワーも兼ね備えています。
やっぱりこのワーシャに合わせるリールはカルコンがおすすめ!!
長さ | 8.3ft | 自重 | 155g |
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綱数 | 2本 | 仕舞寸法 | 130.0 |
ルアー許容重量 | 10~45g | 適合ライン | 14~28lb |
ダイワのおすすめショアジギングベイトロッド
ダイワ ハードロックX 86MHB
ハードロックフィッシュロッドですが、ブリやヒラマサにも。
40gくらいまでのジグをキャスト可能で、根にくっ付いているモンスターフィッシュを剝がし取るハイパワーモデル。
力のあるベイトロッドにありがちな先重り感も軽減されているので、微妙なルアーコントロールも無理なくこなせます。
長さ | 8.6ft/2.59m | 自重 | 167g |
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綱数 | 2本 | 仕舞寸法 | 134cm |
ルアー許容重量 | 7~45g | 適合ライン | PE0.8-2.5号 |
フィッシュマンのおすすめショアジギングベイトロッド
フィッシュマン ブリストマリノ 10.6MH
ベイトロッド専門の通好みのロッドメーカーフィッシュマンからは、サーフをメインになだらかな地磯でMAX70gまでのジグを遠投して大型青物をキャッチできるブリストマリノをセレクト。飛距離はもちろんですが3ピース構造になっていて持ち運びのときはなんとたったの115cm。磯に辿りつくまでの移動もラクチン。
長さ | 10.6ft/3.23m | 自重 | 345g |
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綱数 | 3本 | 仕舞寸法 | 111.5cm |
ルアー許容重量 | 15~70g | 適合ライン | PE2-6号 |
ツララのおすすめショアジギングベイトロッド
ツララ エルホリゾンテ 86
長さも短くこれも元がロックフィッシュ用ですが磯からの青門狙いで使っている人を良く見かけます。それはこのツララが持つモンスターフィッシュを狩るための釣り道具の代名詞のようなブランドイメージが大きく影響しているように思います。
ややティップが細いソフトベイト使用なので、ショアキャスティングで使う場合~60gくらいのジグまでとして垂らしを長くとってキャストすることをメーカー側から推奨されています。
長さ | 8.6ft/2.59m | 自重 | 274g |
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綱数 | 2本 | 仕舞寸法 | 177cm |
ルアー許容重量 | ~120g | 適合ライン | PE、MAX4号 |
アブガルシアのおすすめショアジギングベイトロッド
アブガルシア ソルティーステージKR-X ショアジギング SXJC-962MH60-KR
日本のソルトウォーターの世界でベイトタックルをいち早く広めたパイオニア的存在のアブガルシアのベイトロッド。
ちょうど良い長さと~80gまでのジグがキャスト可能なライトショアジギングにピッタリのベイトロッド。
長さ | 9.6ft/2.88m | 自重 | 227g |
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綱数 | 2本 | 仕舞寸法 | 148.5cm |
ルアー許容重量 | 20~80g | 適合ライン | 1.5~3.0 |
安いショアジギングベイトロッド
1万円でお釣りがくる実売価格で入手できるショアジギングの安いおすすめベイトロッドはこれ!
プロマリン キャスティーゲーム B96H
この価格でも、9.6ftとちょうど良い長さと、ルアーのキャスト許容重量もマックス100g、PEラインも4号まで対応できるなどコスパも高く性能は必要十分。
安いベイトロッドは強度を維持するために重くなりがちですが、自重も282gとスタンダードサイズ!
ショアジギングの入門用ベイトロッドとして最適です。
長さ | 9.6ft/2.88m | 自重 | 282g |
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綱数 | 2本 | 仕舞寸法 | 151cm |
ルアー許容重量 | Max100g | 適合ライン | PE Max4号 |
アブガルシア ソルティースタイル ショアジギング STJC-1002MH-KR
数あるラインナップの中でも比較的コスパが高く初級者から中級者まで使えるようにソルティースタイルのショアジギング用。
他の釣り経験者で、ショアジギングにおいてベイトロッド初級者の方にも満足いくおすすめ。
長さ | 10ft/3.05cm | 自重 | 253g |
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綱数 | 2本 | 仕舞寸法 | 156.5 |
ルアー許容重量 | 20~80g | 適合ライン | 2~4号 |
ショアジギングのベイトロッドにおすすめベイトリール
ショアジギングのベイトタックルにロッドのほかに欠かせないベイトリール。
ロッドとの相性を考えて太めのラインを100m以上巻けるスプールと、ギアはハイギアがおすすめ
シマノ アンタレス DC MD XG
世界中のモンスターフィッシュを相手にするために開発されたアンタレスDCの海水対応になっているDC MD。
DCのち密に計算された賢い制御によりライントラブルを恐れることなくフルキャストが可能。ルアー操作や魚とのファイトに集中できる本格派ベイトリール。
使用して釣っているだけで得られるステイタス性はDCMDだけの特権です。
自重(g) | 235g | 最大ドラグ(kg) | 6 |
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巻き取り長(cm) | 93 | 巻糸量(m) | PE3号/130m |
ベアリング数 | 10/1 | ハンドル長(cm) | 90 |
シマノ カルカッタコンクエスト 300/301
青物などパワーファイトを見据えたベイトロッドで釣りを長年やっている人であれば憧れ的存在のリールと聞いて真っ先に頭に思い浮かべるのはこのシマノのカルカッタコンクエストではないでしょうか。
昨今主流になりつつあるタフさと軽量化が図られたリールとは一線を画すこの個性は今もって色褪せていません。
これでしか狩りとれない魚はいませんが、このカルコンで釣っているときにしか味わえない至福の満足感は秀逸です。
自重(g) | 330g | 最大ドラグ(kg) | 7 |
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巻き取り長(cm) | 84 | 巻糸量(m) | PE4号/180m |
ベアリング数 | 12/1 | ハンドル長(cm) | 48 |
ダイワ リョウガ 1520H
ダイワの丸型リールの新骨頂と言えばこちらリョウガ。初代から9年目に一新された新生リョウガは、潮嚙みしやすいベイトリールの弱点を克服すべく
マグシールドボールベアリングを採用し単にソルト対応とせず、一から設計が見直された完全な海水対応ベイトリール。
自重(g) | 270g | 最大ドラグ(kg) | 6 |
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巻き取り長(cm) | 71 | 巻糸量(m) | PE2号/230m |
ベアリング数 | 12/1 | ハンドル長(cm) | 90 |
アブガルシア レボ ビッグシューター WM60
ソルトウォーターの大型プラグを用いたキャスティングはもちろん、世界中の怪魚などビッグフィッシュを対象としていながら、ロッドと一体となるように高さを抑えたコンパクトなロープロベイトリール。
100g相当の重たいメタルジグでもストレスなくキャストでき、かつパワーファイトも得意とする頼りになる対モンスターリール。
自重(g) | 406g | 最大ドラグ(kg) | 10 |
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巻き取り長(cm) | 107 | 巻糸量(m) | PE3号/350m |
ベアリング数 | 6/1 | ハンドル長(cm) | 非公表 |