画期的なPEラインのデュエルアーマードf+のインプレです。ルアー釣りではPEラインが主流です。それには相応の理由があるからですが欠点も存在し、それを克服するように開発されたのがこのアーマードf+です。
このラインの持つ優れた点と、自分は雑誌やメーカーからスポンサーを受けているアングラーではない一般人なので忖度しない率直なインプレになっています。
長い経歴(釣り歴平均12年以上)を持つ釣り好きが集まった共同運営チームです。釣り種によってはメーカーのテスターも有しています。メーカーやプレスリリースでは伝えることのない一般ユーザー目線で忖度なしにお伝えすることを目的としており、タックルやアパレルなど率直なインプレや実釣経験を基にした記事をお届けします。
デュエルアーマードf+とは
元々PEラインと呼ばれるものの素材はポリエチレン樹脂。極々細いポリエチレン樹脂を何本も束ねてひねり合わせたものがPEラインです。4本編みや8本編み12本編みとあるPEがこれにあたります。
ある程度強度を保ったままラインが細くできることが最大の売りでしたが、縦に引っ張る強度はあるものの横スレにめっぽう弱いことが弱点でした。
デュエルのアーマードf+はその弱点を克服するべく極細のポリエチレン樹脂を束ねる際に独自の技術で同じように細いフロロカーボンを一緒に束ねることで耐久性を向上。同時に表面にコーティングを施すことで滑りやすさも手に入れました。
この製法により従来のPEよりも15%強度がアップ、また伸び率が低く感度が良くなったのがアーマードf+です
アーマードf+のメリット
それではリールにセットしてみて実釣した感想の中から気にいった点を先にまとめました。
水切れが良く汚れがつきにくい
表面が樹脂コーティングされているので、ナイロンやポリエチレン(PE)のように吸水しないので水切れが良く汚れもつきにくいです。
不必要な糸ふけがでにくい
比重1.0とPEラインよりも重く、ラインが水面をふわふわ浮いたり、風の影響を受けにくく余計な糸ふけが出ることが少ないので着水と同時に即座にリーリングをはじめなくともルアーの姿勢が整いやすくなります。
潮流の影響を受けにくい
比重があるので潮の流れが速い場所でも、通常のPEよりは流されにくいです。ただ使うルアーの形状や自重にも左右されるのであしからず。
滑りがよく飛距離がアップ
表面が樹脂コーディングされているので滑りが良くガイド抜けが良く、また比重が高いので風の影響を受けにくく飛距離が増しています。
ライントラブルが減る
中の繊維にフロロカーボンが入っているので、ハリとコシがありティップや先端ガイドなどへの不用意な糸絡みなどのライントラブルが格段に減っていると感じます。
低伸度なので感度がいい
元々伸び率が低く感度がいいPEラインよりさらに低伸度に設計されているため感度に優れてます。
横スレ強度に非常に優れている。
単純にPEラインより強いです。横からの衝撃、擦れに強くなっており、橋脚やストラクチャーの角にラインが擦れてラインブレイクしたりするのを軽減できます。
劣化(交換時期)がわかりやすい
表面がコーティングされているので何度か使っているうちに剥がれて、毛羽立ったようになってきます。これを良しとするか欠点ととるかは個人の判断ですが、
自分の場合はこれが劣化の目印となり交換したり、その毛羽立っている部分だけカットするなど対処がしやすくなったと思ってます。
比較的安い!
自分が試してみて良かったなと素直に思えたのはこの手に入れやすい価格でしょう。アーマードf+の上位版proでも税込み2112円です!
安いので一度だけ試してみるにも躊躇することなく試せます。
アーマードf+のデメリット
通常のPEと比べて良いと感じた点が多いもの、逆にこれまでのPEの弱点を補ったがゆえにデメリットとなっていることもありました。
撒き癖がつきやすい
ハリがある分リールスプールに巻いた時に巻きグセが付きやすいです。
ヴェールを外した状態でラインから手を離すと勝手にボワボワボワッと丸まったものが出ていきます。
バス釣りなどで太いフロロラインを使用した時とおなじようなことが起きます。
自分でわかって釣っていれば実釣に特になにか影響するわけではないです。
ノット組むときに毛羽立つ
リーダーとノットシステムを組むときに、強く締め付けすぎると結んだ箇所が毛羽立って来ます。強度が大丈夫かとても心配になるので、組むときに気を付けています。
急に強く締めつけるのではなく、ジワッとゆるやかに力を強くしながら引っ張るとうまくいきます。
ですが今のところこれによる結束部での気になるトラブルは無いです。
若干太い
通常の号数と比べると、若干太く感じています。これで飛距離や感度が犠牲になっているようなことは感じないので許容範囲です。
自分の好みでもっと通常のPEラインの基準の太さでこのままの強度が確保できるのならそれがいいかなと思ってるだけです。
低伸度
低伸度で感度に優れていたりする分、吸い込みを弾きやすくなったり、
ラインに伸びしろが少ない分、強引なファイト中にフックが曲がったりリーダーから切れてしまうこともあります。
この場合、リーダーのグレードを一段下げ若干伸びるものに変更したり、吸い込み型のシーバスや青物などではソルト用のナイロンリーダーにするなどすれば未然に防げます。
ライバルはラパラ!?
以前5,6年ほど前にアーマードf+と似たような”強化PE”!?を使用したことがあるのを思い出しました。それは「ラパラのサフィックス832」というラインです。
デュエルとは異なる製法で耐久性をもたらしたラインでしたのが、使ってびっくり…。
ずいぶんと強度は増したのでしょうがとてもラインが太くて、巻きグセが非常に醜くく、巻きグセというよりはゴワつく感じで2回ほど釣りしてすぐに元に戻してそれ以来使わなくなりました。
あの苦い経験があったけどアーマードf+は全然使えるラインです!
アーマードf+とf+proとの違い
f+とf+proとの違いは単純に、束になっている原糸の原料の違いです。
原糸のウルトラPEとスーパーPEの違いって、触ってみて投げてみても素人が「うん、違う」とわかるレベルではないと思います。yahoo知恵袋や通販サイトの口コミにも同じような意見がありました。
よっぽどPEラインの開発者兼テスターみたいな人じゃない限り、比べてみたとしてもまったく使用感に違いを感じとることなどできないと思いますが、
原糸がそもそも違う(強くなっている)から”強度を上げたい”、”強度に不安なく安心して釣りがしたい”と言う人は【f+pro】を選ぶと釣りに集中できるでしょう。
なのでとりあえず試したいと思う人は、最初からf+proを使わなくともf+を使用してみればアーマード本来の性能は十分体感できるのではないかと思っていますが…
それでも強度が増しているproのほうがいいのならそちらのほうが安心感を感じる人もいるでしょうから、あまり明確な使った感じの違いはわかりにくいけど、好みやアングラーそれぞれの判断基準で選んで問題ない程度です。
アーマードf+